2021 Fiscal Year Annual Research Report
Brain damage and developmental defects in a mouse model of high-dose oxytocin oxytocin induced delivery
Project/Area Number |
18K09237
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
板倉 敦夫 順天堂大学, 医学部, 教授 (70262897)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平山 貴士 順天堂大学, 医学部, 助教 (20816962)
小池 正人 順天堂大学, 大学院医学研究科, 教授 (80347210)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | オキシトシン / 自閉症スペクトラム障害 / 分娩誘発 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続き、オキシトシン投与妊娠モデルマウスの安定的に作成することを試み、C57BL/6J マウスの妊娠18.5日目に皮下埋め込み浸透圧ポンプによるオキシトシン過剰投与を行い、分娩を誘発する安定したマウスモデルが作成に成功した。すでに作成した実験プロトコールに従って、母獣に高濃度オキシトシンを投与して出生した新生仔(雄)を出生24時間後に解剖し、脳組織をHE, TUNEL,Iba-1の免疫組織学検討、透過型電子顕微鏡による検討を実施し、対照新生仔マウスと比較することで、脳の障害を組織学的に確認した。オキシトシン過剰投与群では、コントロール群に比べ、前頭前皮質を含むいくつかの領域で、TUNEL陽性および透過型電子顕微鏡でアポトーシスが観察され、神経細胞数の減少も確認された。さらに同僚域において、核濃縮を伴うIba-1陽性のミクログリア細胞が大幅に増加していることが確認されたことから、これらミクログリア細胞が、オキシトシンによって死にゆく神経細胞を貪食していると考えられた。ヒトの疫学調査によって、分娩誘発を受けた児の学童期に自閉症スペクトラム障害などの精神発達障害が多いことが、いくつかの論文で報告されている。脳梁小鉗子領域は精神神経発達に影響する領域であるとされている。オキシトシンなどの子宮収縮薬による過強陣痛によって、脳性麻痺が発生することが知られているが、今回の検討でオキシトシンによる過強陣痛は、自閉症スペクトラム障害児の精神発達障害にも影響を与える可能性があることを示唆した。さらにオキシトシン過剰投与マウスから出生した仔を成育させ、神経学的発達を検討することにより、さらに組織学的に認められた脳障害の影響を検討することによって、詳細な障害の程度が明らかになると考えられた。
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