2019 Fiscal Year Research-status Report
不育症における子宮内フローラの影響の解明とプロバイオティクスを用いた治療法の開発
Project/Area Number |
18K09238
|
Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
近藤 哲郎 昭和大学, 医学部, 講師 (30365754)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小出 馨子 昭和大学, 医学部, 講師 (90384437)
関沢 明彦 昭和大学, 医学部, 教授 (10245839)
岡田 裕美子 昭和大学, 医学部, 助教 (70622059)
河本 貴之 昭和大学, 医学部, 助教 (80817594)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 子宮内フローラ |
Outline of Annual Research Achievements |
不育症・習慣流産の症例を対象に妊娠成立前の子宮内フローラを解析し、子宮内フローラと流産・早産との関係を明確化すること、さらに子宮内フローラ異常と判定された女性に対する治療として妊娠前からのプレバイオティクス投与を行い、その有効性について検討することで、不育症・習慣流産症例に対する新たな治療法を確立させること目的に本研究を計画した。 不育症・習慣流産の症例を対象に分泌期の子宮内膜及び子宮内腔液を採取しDNAを抽出し、16S rRNA遺伝子をPCRで増幅後、MiSeq次世代シーケンサーによる高速シーケンス解析を実施した。現時点までに18人の解析が終了し、乳酸を産生するLactobacillus属もしくはBifidobacterium属が80%以上を占めていた症例は9人、80%未満であった症例は7人、菌量が少なく評価不可であった症例が2人であった。 乳酸を産生するLactobacillus属もしくはBifidobacterium属が80%未満であった症例のうち3ヶ月間のラクトフェリン内服の効果を判定できたのは4人で、乳酸産生菌の占める割合が上昇したのは2人(50%)で、最終的に80%以上にまで上昇したのは1人だけであった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
不育症・習慣流産の症例の妊娠成立前の子宮内フローラの解析は予定通り実施できている。ラクトフェリン内服の効果を検証するには症例数が少ないため、不育症・習慣流産の症例を対象とした子宮内フローラ検査を継続して実施し、対象症例の抽出に努める。
|
Strategy for Future Research Activity |
前年度と同様に不育症・習慣流産の症例を対象に妊娠成立前の子宮内フローラを解析し症例を増やしつつ、ラクトフェリン内服により乳酸を産生するLactobacillus属もしくはBifidobacterium属の子宮内フローラを占める割合が上昇する群(有効群)と上昇しない群(無効群)を比較し、ラクトフェリンの投与が不育症・習慣流産の治療となる可能性のある症例の特徴を解明する予定である。
|
Causes of Carryover |
乳酸を産生する細菌の子宮内フローラを占める割合が低かった症例に、ラクトフェリン内服の効果を検証する目的の研究への参加をお願いしたが同意獲得率が想定していたよりも低かったため、子宮内フローラを解析した症例数は予定数よりも少なく、2019年度の助成金の残額が生じた。 2020年度も引き続き研究対象症例に研究参加をお願いし、同意を得られた研究対象症例の子宮内フローラの解析に2019年度の残額を使用する予定である。
|