2022 Fiscal Year Research-status Report
Diagnostic study for predictive abnormal invasive placenta using high frequency ultrasound probe and maternal serum markers
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18K09240
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
長谷川 潤一 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (80365775)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 彩子 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教 (80725979) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 癒着胎盤 / 病理診断 / 超音波診断 |
Outline of Annual Research Achievements |
癒着胎盤の超音波診断で、Placenta lacunae、bulging、子宮壁や膀胱境界のドプラ増強などの所見は、癒着胎盤の診断というより二次的に発生した子宮・胎盤のマーカーである。癒着胎盤の診断は病理組織診断であるのが本来であることを考え、高周波プローブを用いた病理組織診断に迫る超音波診断を試みた。 分娩を予定している子宮手術既往のある妊婦を対象に、分娩前に超音波検査を行った。使用機器したのは、18MHz, 24MHz, 33MHzのリニアプローブである。B-modeおよび微細超音波ドプラを用いて胎盤実質、子宮筋層を観察した。 既往帝王切開創部上に形成された胎盤で組織学的に癒着胎盤がなかった例では、B-modeで子宮筋層と絨毛の間にlow-echoicな線状エコー(Clear zone)を、絨毛のあるところではいずれの場所でも細かい散乱像(speckle)が描出され、微細ドプラで終末絨毛まで鋭に保たれた樹枝状の絨毛血流と、絨毛間腔血流のscatterが検出された。一方、癒着胎盤のあった例では、B-modeで菲薄化した筋層、子宮筋層と絨毛の間のclear zoneが不明瞭で、その直上の絨毛ではspeckleが見られないことが多かった。微細ドプラで終末絨毛は末端が鈍化、拡大していた。癒着胎盤周辺では絨毛間腔血流のscatterは減少し、無エコーとなる部分もあった。超音波断面と同じ場所で摘出子宮と胎盤の切片をつくり組織学的観察行い、癒着部位には菲薄化した筋層と脱落膜、絨毛と筋層が癒着し一塊となっている像、梗塞像が認められた癒着胎盤の病理組織学的変化を直接的に捉えられることができた。理論上の解像度は80μmであり、穿通胎盤などの程度の強いものでなくても診断に役立つことが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新しい癒着胎盤の診断法として、直接的な組織診断をすることが有用であるということが学会等で認知され、追従する研究報告もでてきたため。
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Strategy for Future Research Activity |
近年、胎盤の超音波発生学的病態研究、病理組織比較に関する報告が増えてきている。我々も、高周波超音波プローブやドプラを用いて、各種胎盤異常の病態生理、病理の妊娠中の把握、異常の予測法の開発をすすめる。
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Causes of Carryover |
超音波画像診断に関する研究に関しては順調に進行しているが、比較的費用のかかる血清マーカーに関する検討については未着手である。今後、症例がまとまった段階でまとめて検討を行うため、次年度以降でそれらの検討に使用する予定である。
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Research Products
(6 results)