2021 Fiscal Year Research-status Report
周産期包括的検体を用いた潜在性甲状腺機能低下症合併妊娠における母児の予後判定
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18K09245
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Research Institution | Department of Clinical Research, National Hospital Organization Kyoto Medical Center |
Principal Investigator |
和田 美智子 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), 内分泌代謝高血圧研究部, 研究員 (80813815)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 建 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), 内分泌代謝高血圧研究部, 研究員 (20378772) [Withdrawn]
橋本 貢士 獨協医科大学, 医学部, 教授 (30396642)
北 誠 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), 内分泌代謝高血圧研究部, 研究員 (50767415)
浅原 哲子 (佐藤哲子) 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), 内分泌代謝高血圧研究部, 研究部長 (80373512)
安彦 郁 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), 内分泌代謝高血圧研究部, 研究員 (20508246)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 妊娠 / 甲状腺機能 / 潜在性甲状腺機能低下症 / 妊婦 / 分娩 / 出生時体重 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度までに京都医療センター産婦人科で妊婦検診及び分娩を行ったすべての妊婦を対象にリクルートを行い、母体血清、臍帯血血清、胎盤組織、診療情報を系統的集積し、母体妊娠初期血清および臍帯血血清において甲状腺機能検査及び自己抗体の測定を行い、データベース化した。本研究では、令和2年末までに分娩予定日を迎えた107例につき解析を行う。 107例の診療情報収集を行い、血清については妊娠初期検体は91例、分娩前検体は71例、臍帯血は64例につき甲状腺関連パラメーターを測定した。 母体妊娠初期血清、母体分娩前血清および児臍帯血血清について、甲状腺ホルモンおよび甲状腺刺激ホルモンの平均値、母体の自己抗体の有無について検討し、診療情報から得られるデータ(児の出生時体重等)との関連を検討している。 流産3例および双胎2例を除き、102例について解析を行った。母体年齢は31.6(±5.28)歳、妊娠初期週数は10.2(2±.8)週、分娩週数は38.8(±1.8)週、妊娠初期体重は52.36(±9.35)kg、妊娠初期BMIは20.94(±3.55)、。主な甲状腺関連パラメーターの測定結果は、妊娠初期TSH値1.078(±1.006)、fT4値1.277(±0.382)、βhCG値81.4(56.2)、分娩前TSH値2.740(±1.642)、fT4値1.133(±0.158)、臍帯血TSH値6.954(±3.318)、fT4値1.213(±0.253)であった。 現在、詳細な診療情報との関連を含めて解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究登録は、2020年末までに分娩予定日を迎える107例とした。妊娠初期血清91検体、妊娠中期血清76検体、妊娠後期血清70検体、分娩前母体血清71検体、分娩後臍帯血清64検体、胎盤67検体を採取している。診療情報の解析からは、既往症として母体に何らかの甲状腺疾患または甲状腺機能異常合併妊娠は7例(6.5%)あり、内訳は橋本病3例(2.8%)、バセドウ病1例(0.9%)、潜在性甲状腺機能低下症1例(0.9%)、下垂体性甲状腺機能低下症1例(0.9%)、病型不明の下垂体機能低下症1例(0.9%)であった。 妊娠前より診断されていた7例のうち3例(42.8%)が不妊治療を受けていた。妊娠初期のhCGによる甲状腺刺激作用もあり、fT4が基準値以下であったものは86例中橋本病を有する1例のみであったが、分娩前TSH値はカットオフ値を5とした場合68例中5例(7.3%)が高値を示すもfT4 は正常値であり潜在性甲状腺機能低下症を認めた。また、妊娠中のTSH値のコントロール目標は1.50とされており、この場合68例中50例(73.5%)となり、このうちfT4が0.90未満の甲状腺機能低下症は4例(全体の5.8%)であった。臍帯血TSHは生理的上昇を認めるとされ、カットオフ値を5とした場合54例中41例(75.9%)が高値を示したが、fT4値は正常範囲内であった。 本研究では、100例以上の日本人妊婦における妊娠と分娩前後の甲状腺機能を追跡しており、今後、分娩時の内分泌疾患・甲状腺機能異常の割合とその分娩・合併症・児への影響を検討・解析でき、これまでこの様な報告はあまりなく、貴重な報告になると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで得られた107例の診療情報及び甲状腺機能関連パラメーター(妊娠初期ではfT4, TSH,抗TPO抗体、Tg、hCG、分娩前ではfT4、TSH、臍帯血ではfT4、TSH)をもとに、母児の甲状腺機能について詳細な解析検討を行っていく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症のまん延のため、研究活動が進められなかったため。
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