2019 Fiscal Year Research-status Report
新規妊娠高血圧腎症モデルマウスの開発と胎盤・胎仔血管発達評価法の確立
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18K09247
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
堰本 晃代 東北大学, 薬学研究科, 助手 (40781745)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 信行 東北大学, 薬学研究科, 教授 (40588456)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 妊娠高血圧 |
Outline of Annual Research Achievements |
妊娠高血圧腎症 (preeclampsia, PE) は妊婦に発症する蛋白尿を伴う高血圧であり、早産・胎児発育不全・母子の死亡をもたらすことが少なくない。重症化すると意識障害を伴うけいれん発作を発症する子癇や溶血・肝酵素上昇・血小板減少を特徴とするHELLP症候群を引き起こし、母体・胎児に様々な合併症が起こりうる。PEの病因には胎盤・胎児血管発達不全が関与していると考えられているが、その発症機序には不明な点が多く、早期発見・治療法は未だ確立されていない。 本研究では、PE発症機序解明および治療法開発の研究基盤を構築するため、今年度はPEの重症化に寄与すると考えられる内皮型一酸化窒素合成酵素(eNOS)欠損マウスを用いて、子宮潅流圧低下 (reduced uterine perfusion pressure; RUPP)手術を行い、重症PEモデル作成を試みた。 多産系のICR系統を背景に持つeNOS欠損および非欠損マウスを妊娠させ、子宮流入血流量を抑制するRUPP手術もしくは偽手術を行った。その後、胎仔生存率、胎仔重量、胎盤重量、母体血圧、尿たんぱく、腎障害等のPE病態を解析したところ、eNOS欠損マウスでは母体腎臓の血管内皮障害が増悪し、さらにeNOS欠損マウスへのRUPPは、PEに特徴的な母体高血圧・胎仔発育不全が増悪することが明らかとなった。この結果から、eNOS欠損RUPP-PEモデルは、重症PEマウスモデルとして有用であると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定では当該年度にマイクロCTを用いた胎盤・胎仔血管発達評価法の確立を、翌年度に重症RUPP-PEモデルの開発を行う予定であった。しかし、順は入れ替わったが、先に重症RUPP-PEモデルを確立することができたためおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は初年度に確立した最適条件を用いてモデルマウスを作成し、胎盤・胎仔血管発達系の評価のための血管標本作成を進める。
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Research Products
(1 results)