2018 Fiscal Year Research-status Report
Establishment of immunohistological method to improve the diagnostic accuracy of partial hydatidiform moles
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18K09281
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
碓井 宏和 千葉大学, 大学院医学研究院, 講師 (90375634)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 明日香 千葉大学, 医学部附属病院, 医員 (60779859)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 胞状奇胎 / 発現マイクロアレイ / 定量的PCR法 / 免疫染色 / グロビン遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、遺伝学的部分奇胎と流産を確実に鑑別可能にする免疫染色法の確立である。 1)部分奇胎特異遺伝子候補をスクリーニングとして、遺伝学的診断が確定している遺伝学的全奇胎・部分奇胎・流産の絨毛組織(各4検体、合計12検体)からRNAを抽出し、発現マイクロアレイ解析(イルミナ社 HT-12 v4.0)を行った。流産絨毛で高発現、部分奇胎と全奇胎で低発現の遺伝子として、HBE1、HBZ、HBG1、HBG2が抽出された。 2) 定量的PCR法で当該遺伝子の発現に差があるか確認を行った。HBE1とHBZは、流産絨毛では高発現、部分奇胎・全奇胎では検出感度ぎりぎりの発現であった。 3)部分奇胎特異遺伝子産物に対する特異抗体を用いた免疫染色による評価を開始した。市販の入手可能な抗体があるHBGについて、全奇胎・部分奇胎・流産のホルマリン固定パラフィン包埋切片を用いて、免疫染色による評価を行った(全奇胎40例、部分奇胎20例、流産20例)。流産絨毛の胎児赤血球が抗HBG抗体により全検体が染色されたが、一部の部分奇胎の検体でも染色された検体を認めた。HBE1とHBZに対する、特異的な抗体が入手不可能なため、ポリクローナル抗体(ウサギ)を作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
発現アレイ解析が終了し、マイクロアレイのデータ解析は、フリーソフトであるRソフトウェア(https://www.r-project.org)を用いて、様々な視点から検証できた。免疫染色法の確立に必須である特異性の高い抗体が市販抗体の中に見つけることができなかったが、ポリクローナル抗体を受託作成し既に入手している。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に作成したポリクローナル抗体(抗HBE1抗体、抗HBZ抗体)を用いて、鑑別可能か検証を進める。
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Causes of Carryover |
発現アレイ解析の受託費用を主として予算計上していた。1度目の発現アレイ解析セットにより、クオリティが担保されたデータが取得できない可能性を考え、2回分のアレイ解析費用を計上していたが、1回のアレイ解析で十分なデータが得ることができた。また、アレイデータのデータ解析は、フリーソフト(R言語)を用いたことにより、費用が全くかからなかったため、当該年度の使用額が予定より少なくなった。次年度には、当初予定していなかった組織アレイを作成することにより、多検体の標本に対する免疫染色を行うことで臨床応用への検証を進める。
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Research Products
(21 results)