2018 Fiscal Year Research-status Report
卵巣明細胞腺癌の三次元培養モデルを用いた化合物スクリーニング
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18K09283
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山口 聡子 東京大学, 医学部附属病院, 特任助教 (40609872)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 卵巣癌 / 明細胞腺癌 / 三次元培養 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、卵巣癌のうち、日本人で頻度が高く、既存の化学療法に抵抗性である、卵巣明細胞腺癌(CCC)に対する新規治療法を開発することである。特に、CCCの臨床像を再現した三次元培養のモデルでハイスループットスクリーニングを行うことと、ドラッグリポジショニングのために既知薬理活性物質のライブラリーを用いることを特徴とする。 CCC細胞株で三次元培養を行い、パラフィン標本を染色し、グリコーゲンの蓄積による明るい細胞質などの、明細胞癌に特有の病理組織像を示すことを確認した。また、三次元培養での生存率アッセイ方法を検討し、最適な方法を確立した。 このアッセイ系を用いて、2種類のCCC細胞株の三次元培養系における既知薬理活性物質の1次スクリーニングを行った。東京大学創薬機構から化合物ライブラリーの提供を受け、ハイスループットスクリーニングを行った。比較のため、二次元培養系におけるスクリーニングも同時に行った。これにより、1次スクリーニングでのヒット化合物を同定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
卵巣明細胞腺癌の三次元培養モデルを確立し、一次スクリーニングまで施行することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
三次元培養における1次スクリーニングでヒットとして得られた化合物について、非癌卵巣上皮細胞株をホストとして、2次スクリーニングを行い、毒性の低い化合物を選択する。これらの化合物について、タイトレーションを行い、生存率が50%となる濃度(IC50)を同定する。低い濃度でも有効であった化合物について、さらに解析を行う。
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Causes of Carryover |
消耗品代が見込んでいた分よりも少なかったことと、学会出張を見合わせたことなどにより、差額が生じた。次年度の消耗品の費用として利用する見通しである。
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