2020 Fiscal Year Research-status Report
人工内耳予後予測におけるECAPの重要性の検討。予後予測AIモデル構築に向けて。
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18K09315
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
樫尾 明憲 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (20451809)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤松 裕介 東京大学, 医学部附属病院, 言語聴覚士 (00794869)
尾形 エリカ 東京大学, 医学部附属病院, 言語聴覚士 (20794853)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ECAP / 人工内耳 / 成績 |
Outline of Annual Research Achievements |
人工内耳患者のECAPを測定し、ECAPの日本語聴取成績と関連する因子を解明し達成可能な聴取能を予測することを目的としいる。 本年度は人工内耳手術を行った50耳より新規のデータを取得した。これまで得られた522耳のECAPのデータと合わせて解析を続けている。 これまでに得られたECAPデータよりGJB2遺伝子異常による高度難聴をきたした症例でで両側に同一タイプのLateral Wall型の電極を挿入した14例を対象にECAPの左右差を検討した。測定項目としては閾値、Growth Function(GF)の第一側から第二側への変化率を調べ第一側と第二側までの間隔との相関などを検討した。閾値は特に左右差がなかったが、GFは左右差を多くの症例で認めた。電極の部位ごとの比較では基底部・中間部で大きな変化を認めるのに対して深部では左右差は少なかった。GFが神経線維の状態を反映していることを考慮すると、基底部・中間部のほうが深部に比べて神経の状態に左右差が存在することが推測された。第一側から第二側までの手術間隔とGFの変化率の間には有意な相関は認めなかった。失聴期間が長い場合、神経の変性が起こると仮定すると手術間隔とGFの変化率には負の相関を認めると予想したが、今回相関が認められなかった。この結果より、2年程度までの失聴期間の差では神経線維の状態に大きな影響はおこらないものと考えられた。手術間隔とECAPの反応についてはより手術間隔が長い症例の検討も必要と考えられ、今後も症例を蓄積して改正してゆく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナウイルス感染症により人工内耳手術件数が減少したが、データは着実に増えている。
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Strategy for Future Research Activity |
データ数を蓄積し、全体像の検討に加え 疾患ごと(サイトメガロウイルス感染症、髄膜炎)などのECAPの特徴・反応と予後の関係などを解明してゆく予定。
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Causes of Carryover |
コロナウイルス感染症のため学会発表などの活動が制限されたため
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Research Products
(4 results)