2020 Fiscal Year Annual Research Report
The mechanisms of salivary gland fibrosis in IgG4-related disease
Project/Area Number |
18K09324
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
高野 賢一 札幌医科大学, 医学部, 教授 (70404689)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀倉 隆太 札幌医科大学, 医学部, 講師 (70404697)
矢島 諒人 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (90722455) [Withdrawn]
山本 圭佑 札幌医科大学, 医学部, 助教 (50738515)
小島 隆 札幌医科大学, 医学部, 教授 (30260764)
一宮 慎吾 札幌医科大学, 医学部, 教授 (30305221)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 唾液腺 / IgG4関連疾患 / 線維化 / IL-6 |
Outline of Annual Research Achievements |
IgG4関連硬化性唾液腺炎において顎下腺に高度線維化をもたらすメカニズムの解析に焦点を当て,本疾患におけるヒト顎下腺組織およびヒト顎下腺組織由来の線維芽細胞の解析を行った。まず,顎下腺組織の解析からIL-6, IL-18, TSLP, IL-33, MMP1 を発現する線維芽細胞様の細胞を多数認め,特にIL-6, IL-18は強発現していた。疾患顎下腺由来の線維芽細胞では,著明な増殖能の亢進が認められ,GeneChip解析からIL-6, IL-18, TSLP, MMP1, WISP1 の発現が亢進していることが明らかとなった。HTRFアッセイにより,疾患由来線維芽細胞では IL-6の分泌が亢進しており,細胞周期においてはG0/M1期の減少とS期G2/M期の増加を認めた。さらにIL-1β, TNFα,TGFβ, TNFα+ TGF β 処置により 有意なIL-6分泌増加が誘導され,この発現誘導はNF-κB 阻害剤クルクミンにより阻害された。次に線維化関連因子としてWISP1に着目し、WISP1 処置によりIL-6分泌増加がみられ,正常由来線維芽細胞にWISP1を処置するとG2/M期の増加を認めた。TSLPとIL-33にも着目し検討を行ったところ,疾患由来線維芽細胞においてTSLPは細胞質に,IL-33は細胞核に集積が認められた。線維芽細胞に各種サイトカイン処置を行うと,IL-33陽性細胞核が増加し,この発現誘導にはNF-κBを介することを確認した。本研究から,IgG4関連硬化性唾液腺炎においてもたらされる腺組織の線維化は,炎症性サイトカインによるNF-κB を介した IL-6および WISP1 誘導の線維芽細胞の増殖に密接に関連することが明らかとなり,IL-6, WISP1 は IgG4 関連疾患における新規バイオマーカーのみならず,治療標的となり得る可能性が示唆された。
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