2020 Fiscal Year Annual Research Report
Differentiation of vocal fold fibroblast from stem cell
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18K09326
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
斉藤 敦志 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任助教 (80573633)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 滋 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10303827)
杉山 庸一郎 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50629566)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 声帯再生 / 再生医療 / 声帯瘢痕 / 細胞治療 / 増殖因子治療 / CTGF |
Outline of Annual Research Achievements |
声帯は一秒間に数百回の振動をしうる稀有な粘膜であり、その特異な組織構造が重要とされている。すなわち、振動体としての機能を全うするには声帯靭帯とその表層のヒアルロン酸層が必要であり、とりわけヒアルロン酸は声帯振動のために必要不可欠とされている。ところが、ヒアルロン酸が欠乏し声帯が硬化する病変、たとえば声帯瘢痕や溝症については、声帯を柔らかくする方策が確立されておらず、深刻な音声障害をきたすものの治療法がないのが現状である。声帯の組織構造を回復するためには再生医学的アプローチが必須であり、そのために脂肪由来間葉系細胞や骨髄由来間葉系細胞などを用いた細胞治療が研究されてきた。動物実験では一定の効果を認め、臨床試験が世界のいくつかで行われたが、いまだ日常臨床に応用できる段階でない。効果が一定しないのが原因であり、そこには幹細胞の分化の状況が不安定である可能性が考えられている。そこで、本研究では、間葉系幹細胞を声帯の線維芽細胞に分化する技術を確立することを目的とした。間葉系幹細胞の分化誘導には塩基性線維芽細胞増殖因子を代表とする細胞増殖因子があげられるが、塩基性線維芽細胞増殖因子による細胞分化は難しく、代わりにCTGF(Connective tissue growth factor)が有望ということが基礎実験でわかってきた。そこで、間葉系幹細胞培地にCTGFを濃度を振り分けて投与したところ、声帯線維芽細胞への分化が確認された。次に間葉系幹細胞および分化した線維芽細胞をラットの声帯瘢痕に注射しその再生効果を検討したところ、間葉系幹細胞による再生効果は良好であったが、分化細胞の再生効果は乏しかった。Ex vivoでの分化細胞よりも、In situでの分化が重要と考えられ、今後の研究を継続していく予定である。
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Research Products
(3 results)