2020 Fiscal Year Research-status Report
経頭蓋電流刺激が雑音下における聴覚誘発脳磁界反応に与える影響
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18K09327
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
岡本 秀彦 国際医療福祉大学, 医学部, 教授 (30588512)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木田 哲夫 愛知県医療療育総合センター発達障害研究所, 障害システム研究部, 室長 (80419861)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 脳磁図 / 聴覚 / 経頭蓋電気刺激 / 聴性誘発反応 / ヒト / 脳 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、経頭蓋電流刺激によりヒトの脳活動を変化させ行動を変容させることが明らかになってきている。特に、直流電気刺激を用いた経頭蓋直流電気刺激(transcranial direct current stimulation: tDCS)は、中枢神経系の疾患に対して、治療やリハビリテーションとして用いられている。それに対して、交流電流を用いた経頭蓋交流電気刺激(transcranial alternating current stimulation: tACS)の研究はまだ少ない。そもそも、ヒト脳活動は様々な周波数成分からなる交流であるため、本研究では経頭蓋交流電気刺激を用いて外部からの電気刺激により聴性誘発反応がどのように変化するかを調べる。 先行研究(Witkowski et al, NeuroImage, 2015)に従って、経頭蓋交流電気刺激中の脳活動を脳磁図で計測ができるかの予備実験を行ったが、電気刺激由来のノイズが大きくSQUIDセンサーにも不調がみられたため同時計測は困難だと判断し実験系の見直しを行った。そこで同時計測ではなく時間差を設けて、経頭蓋交流電気刺激直後に脳磁場を測定することで、交流電流が聴性誘発脳磁界反応に与える影響を調べることにした。私自身を含め数名を被験者として予備実験を行い、問題なく経頭蓋交流電気刺激が行えること、聴性誘発脳磁界反応が測定できることを確認した。経頭蓋交流電気刺激に関しては、電流で刺激を行っていると きに僅かな痒みを感じる者もいたが、その他に特記すべき副反応などは出現せず、安全に施行できることを確認した。しかしながら、新型コロナウィルスの蔓延により、ヒトを用いた実験を行うことが困難となっており、データの計測が進んでいない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
先行研究に従い電気刺激と脳磁場の同時計測を試みたが、非常に大きな磁気ノイズが混入しヒト脳由来の誘発脳磁場の解析ができなかった。そこで実験デザインを変更して、経頭蓋交流電気刺激中ではなく、直後に脳磁場を測定することにより、経頭蓋電気刺激が聴性誘発脳磁場反応へどのような影響を与えるかを測定しようと試みた。ある程度実験準備が整いだしていたのだが、ともに実験系を組み立てていた生理学研究所の技官が急逝してしまい、引き継ぎを行うこともできなかった。その後ひとりで再度実験をセットアップすることになり時間を必要とした。実験系を整えて予備実験を行い、計測に問題がないことが確認できたのだが、Covid-19によりヒトを用いた研究を行うことが困難になった。状況が落ち着けば計測を再開する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
すでに経頭蓋交流電気刺激に用いる電流刺激と聴性誘発脳磁場反応を測定するための音刺激は作成できており、聴性誘発脳磁場が適切に測定できることは確認済みである。予備実験を行い、経頭蓋交流電気刺激に関して実験参加者に適切に電流刺激を与えることができることも確認できており、副反応等も見られていない。Covid-19による感染状況が落ち着けば、経頭蓋交流電気刺激後の聴性誘発脳磁図反応測定を再開する予定である。被験者として外部から聴力正常の健常人(20-40歳)を20名ほど募集し、経頭蓋交流電気刺激装置により特定のパターンをもつ電流刺激を経頭蓋的に脳に与える。その直後にそれと関連したパターンを有する音刺激を聞かせて、誘発される脳磁場の測定を行う。音を発しない経頭蓋電気刺激が、音によって誘発される脳活動にどのような影響を与えるかを調べることで、脳活動が音の知覚に与える影響の理解に貢献できると考えている。先行研究や予備実験からその可能性はほとんどないと考えているが、もし重大な副反応などの事象が発生すれば、すぐにそれを報告し実験を中止する。
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Causes of Carryover |
Covi-19の感染状況の為、実験の遂行・学会参加・論文発表などが遅れており、それらを遂行するために次年度使用額が生じた。
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