2021 Fiscal Year Annual Research Report
Effects of transcranial electric stimulation on the auditory evoked magnetic fields elicited in noisy environments
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18K09327
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
岡本 秀彦 国際医療福祉大学, 医学部, 教授 (30588512)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木田 哲夫 愛知県医療療育総合センター発達障害研究所, 障害システム研究部, 室長 (80419861)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 脳磁図 / 聴覚 / 経頭蓋電気刺激 / 聴性誘発反応 / ヒト / 脳波 / 聴性定常反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの研究を継続し、経頭蓋電気刺激を用いて外部からの電気刺激により聴性誘発反応がどのように変化するかを調べた。実験参加者は聴力正常で健康な成人とし、脳磁図を計測する前に振幅変調したランダムノイズを経頭蓋電気刺激として与えた。そして経頭蓋電気刺激直後に、その電気刺激と関連する聴覚刺激と無関係の聴覚刺激をランダムに聞かせ、惹起された聴性誘発脳磁場反応を記録した。新型コロナウィルスの蔓延により、生理学研究所において脳磁場測定をすることが困難であったため、当初の予定よりも測定が遅れてしまったが、2021年度中に予定されていた被験者数の脳磁場計測を終了することができた。今後はデータの解析を進めて、研究成果をまとめて論文として発表する予定である。 上記の通り、脳磁場測定は生理学研究所で共同研究として行っていたため、刻々と変化する新型コロナウィルスの感染状況に対応するため、計画的に実験を行うことが困難であった。そこで、研究代表者が所属する大学で計測可能な脳波を用いて雑音下での聴覚信号処理を研究できないかと考えた。脳波は脳磁図とは異なり、空間分解能が低いため、神経活動の発生源を分析することは難しいが、時間分解能は脳磁場同様優れている。そこで、雑音下での音声聴取に重要な役割を果たしている、「聴覚時間分解能」に注目して脳波を用いた研究を行った。刺激としては広帯域雑音に40Hz周期で無音を挿入し、その無音により惹起される聴性定常反応を測定した。その結果、無音区間の長さが聴性定常反応の振幅と潜時に有意な影響を与えることが分かった。この結果は他覚的に聴覚時間分解を計測できることを示唆する重要な発見であり、学術誌に論文として発表した(Kadowaki S, Morimoto T, Okamoto H, BMC Neurosci 23, e27 (2022))。
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Research Products
(5 results)