2021 Fiscal Year Research-status Report
Early detection and risk-factor analysis of headphone/earphone hearing loss by improving the extended high-frequency audiometry
Project/Area Number |
18K09330
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
倉片 憲治 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (90356931)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 騒音性難聴 / イヤホン難聴 / 拡張高周波聴力検査 / オージオメータ / 若年健聴者 / 早期発見 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年,若年者の間でポータブル・オーディオ機器等の一層の普及が進み,騒音性難聴(いわゆる,イヤホン難聴)の増加が懸念されている。騒音性難聴の早期発見には,通常の8,000 Hzまでの純音聴力検査に加えて,さらに高い周波数(9,000-16,000 Hz)で測定する「拡張高周波聴力検査(extended high-frequency audiometry)」の適用が試みられてきた。しかし,騒音性難聴の早期発見に対するその検査の有効性の評価は,研究によって必ずしも一致していない。 令和3年度(第4年度)は,前年度までに検討を行った現行の拡張高周波聴力検査用オージオメータに起因する測定上の欠陥,すなわち被検者の誤反応を誘発するノイズの発生に対処する新しい測定法を開発し,拡張高周波領域の聴覚閾値が通常の聴力検査と同程度に安定して測定できることを実験的に確認する予定であった。これによって,安定的に測定できるようになった拡張高周波聴力と騒音性難聴(イヤホン難聴)のリスク要因との関係を明らかにする計画であった。しかし,新型コロナウイルスの感染状況が改善しなかったため,被験者実験の実施は,今年度も引き続き全面的に停止せざるを得なかった。そのため,上記の確認作業は,来年度(令和4年度)に持ち越すこととした。 本年度は,その代わりとして,従来の拡張高周波聴力測定法による国内外の測定結果をレビューし,正常聴力の基準値の推定を行った。その成果は,学術論文1報としてまとめ,現在投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染拡大防止のため,被験者実験の実施は,引き続き全面的に停止せざるを得なかったため。本研究における被験者実験は,少数のイヤホンを複数の被験者で共有し,かつ,必ずしも十分な換気が行き届かない防音室内で長時間連続的に実施する必要があることによる。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルスの感染状況が改善次第,被験者実験を開始することとする。新たに開発した測定法の有効性の検証は少数の被験者を対象にするため,本研究の期間内に実施可能と考えられる。しかし一方,当初計画した,大規模な被験者実験により拡張周波数領域の聴覚閾値の経年変化を複数年にわたって継続的に測定することは,この研究の遅れから実質的に実施が不可能になったと考えている。
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Causes of Carryover |
コロナウイルス感染拡大防止のため,予定していた被験者実験を次年度に延期することとしたため。感染状況が改善次第,被験者実験を開始し,これまでの遅れをできるだけ取り戻すこととする。
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