2022 Fiscal Year Research-status Report
Early detection and risk-factor analysis of headphone/earphone hearing loss by improving the extended high-frequency audiometry
Project/Area Number |
18K09330
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
倉片 憲治 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (90356931)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 騒音性難聴 / イヤホン難聴 / 拡張高周波聴力検査 / オージオメータ / 若年健聴者 / 早期発見 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年,若年者の間でポータブル・オーディオ機器等の一層の普及が進み,騒音性難聴(いわゆる,イヤホン難聴)の増加が懸念されている。騒音性難聴の早期発見には,通常の8,000 Hzまでの純音聴力検査に加えて,さらに高い周波数(9,000-16,000 Hz)で測定する「拡張高周波聴力検査(extended high-frequency audiometry)」の適用が試みられてきた。しかし,騒音性難聴の早期発見に対するその検査の有効性の評価は,研究によって必ずしも一致していない。 令和4年度(第5年度)は,まず現行の拡張高周波聴力検査用オージオメータに起因する測定上の欠陥,すなわち被検者の誤反応を誘発するノイズ(不要音)の発生への対処方法の検討を行った。その結果,当初想定していたようにマスクノイズによって不要音をマスク(遮蔽)しなくても,高域通過フィルタを用いて可聴域の不要音を減衰させることにより,不要音の影響を受けることなく拡張高周波領域の聴覚閾値が通常の聴力検査と同程度に安定して測定できることが明らかとなった。 そこで,本研究のもう一つの目的である,拡張高周波領域の聴力と難聴を引き起こす種々のリスク要因との関係の分析に取り組んだ。すなわち,25名の若年健聴者を対象に,不要音を減衰させた新しい測定法で拡張高周波聴力検査を実施し,日々の生活習慣等に関する質問紙調査の回答結果との対応を分析した。その結果,定期的な楽器の演奏経験の有無といった聴力に明らかに影響を及ぼすと予想される要因の他に,食事への意識,運動習慣の有無といった全身の健康に係る要因と拡張高周波聴力とのあいだに高い相関関係が見出された。 以上の研究に加えて,従来の拡張高周波聴力測定法による国内外の測定結果をレビューし,正常聴力の基準値の推定を行った投稿論文1報が採択され,掲載に至った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和3年度までは新型コロナウイルス感染拡大のため被験者実験を行うことができず,研究が遅れ気味であった。しかし,令和4年度からは感染も収まってきたため被験者実験を開始し,研究を進めることができるようになった。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題は1年間の期間延長が認められたため,令和5年度も引き続き被験者実験を実施し,データの蓄積を図る予定である。ただし,当初計画した本研究期間中の4年間に亘る聴力低下の追跡調査はもはや実施不可能であるため,その調査は本研究課題に続く次の研究プロジェクトにて実施することとしたい。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大のため被験者実験の実施が遅れ,また拡張高周波聴力検査の規格策定に係る国際委員会に出席することができなかったため。令和5年度は,被験者実験を引き続き実施するとともに,当該国際委員会に出席して,拡張高周波聴力検査に係る規格改訂の提案を行う。
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