2019 Fiscal Year Research-status Report
内リンパ水腫の分子機構の解明ー内リンパ嚢に発現する蛋白質の網羅的解析
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18K09333
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
土井 勝美 近畿大学, 医学部, 教授 (40243224)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日比野 浩 新潟大学, 医歯学系, 教授 (70314317)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | メニエール病 / 遅発性内リンパ水腫 / 内リンパ嚢 / マルチオミックス解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、遅発性内リンパ水腫および難治性メニエール病患者のヒト内リンパ嚢に発現する蛋白質について、ゲノミクス・プロテオミクス・メタボロミクス解析を行い、内リンパの吸収機構に関与する蛋白質を同定し、内リンパ水腫の分子機構の解明を目指す。臨床データとマルチオミックス解析データの相関解析を行い、同時に、正常および内リンパ水腫モデル動物の内リンパ嚢における蛋白質動態についても解析を進めることで、内リンパ水腫に対する新規治療法の確立、新たな創薬医療への展開を図る。遅発性内リンパ水腫および難治性メニエール病患者のヒト内リンパ嚢に対する対照群として、聴神経腫瘍患者の手術時に採取した内リンパ嚢に発現する遺伝子・膜蛋白質についても、同様のマルチオミックス解析を行う。 2018年度は、予備研究として、1)ヒト外耳・中耳より採取した極少量の組織からマルチオミックス解析が可能かどうかの確認、2)手術時に採取したヒト内リンパ嚢(難治性メニエール病患者および聴神経腫瘍患者)からマルチオミックス解析が可能かどうかの確認を行った。ヒト外耳・中耳より採取した極少量の組織からは、900種類(軟骨膜)、700種類(軟骨)、800種類(結合組織)の蛋白質が同定可能であった。また、ヒト内リンパ嚢(難治性メニエール病患者および聴神経腫瘍患者)から881種類の蛋白質の同定に成功した。難治性メニエール病患者と聴神経腫瘍患者の内リンパ嚢で、異なる発現を示す蛋白質が多数同定された。 2019年度は、予備研究と同様の解析方法を用いて、手術時に採取したヒト内リンパ嚢(難治性メニエール病患者5例および聴神経腫瘍患者5例)をサンプルとしてマルチオミックス解析を行った。ヒト内リンパ嚢から2738種類の蛋白質の発現が確認された。現在、難治性メニエール病と聴神経腫瘍のそれぞれの内リンパ嚢での発現量および発現パターンの比較解析を実施中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現時点まで、研究はおおむね順調に進行している。2019年度は、手術時に採取したヒト内リンパ嚢(難治性メニエール病患者5例および聴神経腫瘍患者5例)をサンプルとしてマルチオミックス解析を行い、ヒト内リンパ嚢から2738種類の蛋白質の発現を確認した。それぞれの疾患での発現パターンと発現量の比較解析を実施中である。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度までの研究で、ヒト内リンパ嚢(難治性メニエール病患者5例および聴神経腫瘍患者5例)を用いたマルチオミックス解析により、難治性メニエール病および遅発性内リンパ水腫の病態である「内リンパ水腫」の形成に関連する可能性の高い分子(蛋白質)を抽出する。2020年度以降は、基礎研究に主体を移して、それらの候補分子についてラット・マウス内耳における分子構造および生理機能について重点的に解析を実施して、「内リンパ水腫」の分子機構の解明を目指す予定である。
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Causes of Carryover |
ヒト内リンパ嚢(難治性メニエール病および遅発性内リンパ水腫)のマルチオミックス解析の費用を別の研究費で充当したため、当該助成金が生じているが、2020年度は、さらにヒト内リンパ嚢のサンプル数を追加してマルチオミックス解析を予定していること、基礎研究に軸足を移して、動物実験を重点的に実施する予定であることから、当該助成金の予算執行を滞りなく行う計画である。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Characterisation of the static offset in the travelling wave in the cochlear basal turn2020
Author(s)
Ota T, Nin F, Choi S, Muramatsu S, Sawamura S, Ogata G, Sato M, Doi K, Doi K, Tsuji T, Kawano S, Reichenbach T, Hibino H
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Journal Title
Pflugers Archiv European Journal of Physiology
Volume: 22
Pages: -
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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