2021 Fiscal Year Annual Research Report
Facial nerve regeneration with using a nanofiber sheet incorporating methylcobalamin,
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18K09346
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
佐藤 崇 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (30756002)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井 貴夫 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (80570663)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 顔面神経麻痺 / メチルコバラミン / 徐放性シート / シリコン製剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
特発性末梢性顔面神経麻痺に対する治療としては、発症初期における神経の炎症や浮腫を軽減する目的での保存的治療(ステロイド剤)が中心となっている。今回我々は、高度に障害を来した神経の再生速度を促進させるという観点からの薬剤を検討した。 他の神経細胞において、metylcobalaminがAktを活性化することにより効果的に神経細胞を伸長する事が証明されており、顔面神経障害に対するmetylcobalaminによる効果を調べた。 顔面神経の軸索を損傷させたモデルマウス(顔面神経損傷モデルマウス)を用いて、長期間において、metylcobalaminを徐放するシートを患部に留置することにより、顔面神経麻痺の回復が早くなることを確認した。また、酸化ストレスを防止する水素を体内で発生させるシリコン製剤の内服を併用する事で更に回復が早まることが判明した。また、併用することにより、全てのマウスで顔面神経麻痺が完治していた。 処置後のマウスにおいて機能的回復のみならず、電気生理学的にも顔面誘発筋電位が回復し、形態学的にも顔面神経が良好な状態であった。 シリコン製剤の内服およびmetylcobalamin含有シートの併用が難治性顔面神経麻痺の治療薬となりうる可能性が期待される。
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