2019 Fiscal Year Research-status Report
Host Immunity for Head and Neck Cancer Stem Cells
Project/Area Number |
18K09355
|
Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
西野 宏 自治医科大学, 医学部, 教授 (50245057)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 頭頸部癌 / ALDH1A1 / CD44 / 細胞周期 / がん免疫 |
Outline of Annual Research Achievements |
先行研究で頭頸部癌幹細胞の表面マーカーはCD44richALDH1A1richと判断している。一般にがん幹細胞は放射線治療抵抗性及び抗がん薬抵抗性を示し再発の原因とされ、がん患者の予後を悪化させている。がん幹細胞が治療抵抗性を示す機序を解明し、効率的な癌治療体系を構築するのが本研究の目的である。今年度はがん幹細胞の細胞周期を中心に検討した。 一般に活発に分裂と増殖を繰り返すとされるがん細胞である。頭頸部癌幹細胞の細胞周期を確認すると、放射線感受性が高いG2M期の細胞の比率は、ALDH1A1rich細胞では13.5%(4.3~24.9%)、CD44rich細胞では8.2 %(1.5~25.1%)と低比率であった。その一方で抵抗性を示すG0G1期の細胞の比率はALDH1A1rich細胞では53.8%(16.9~67.9%)、CD44rich細胞においては65.8%(48.8~89.3%)と高比率でG0G1期であった。多くの癌幹細胞が治療に抵抗性を示すG0G1期の細胞周期に留まり、感受性が高いとされるG2M期の細胞は少数にすぎないことがわかった。細胞周期を移行させ治療感受性が高い細胞周期で治療を行う治療体系が解決の1つと考えられる。 進行頭頸部癌癌患者の抗がん免疫能低下は以前より指摘されている。Tregの表面マーカーをCD4+CD25+FoxP3+と設定し以下の検討を開始した。1:患者末梢血PBMCにおけるCD4+CD25+FoxP3+細胞の割合は11,8%(1.8~31.5%)であった。興味あることに20%以上と5%未満の2つのグループに二極化された。PBMCと癌組織中のCD4+CD25+FoxP3+の比較検討を1例に行った。PBMCでは1.2%であったが癌組織中では18.2%と高い数値であった。癌組織中では抗がん免疫の抑制機序がより強くなっている可能性が示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定された研究内容は進められたが、検体の収集数が結果とし推測より少なくなってしまった。
|
Strategy for Future Research Activity |
現在COVID-19感染拡大防止への対応として、研究活動が停止されている。研究活動再開許可後は速やかに予定された研究を開始する予定である。
|
Causes of Carryover |
検体採取の対象となる手術症例数が予測より少なかったことが原因と判断される。また試薬もの保持するもので対応が可能でった。次年度は試薬の購入が新たに必要であり、残額の使用が十分見込まれる。
|