2020 Fiscal Year Research-status Report
声帯粘膜の組織幹細胞システムと幹細胞ニッチ制御の解明
Project/Area Number |
18K09362
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
佐藤 公則 久留米大学, 医学部, 客員教授 (70196228)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千年 俊一 久留米大学, 医学部, 教授 (20299514)
栗田 卓 久留米大学, 医学部, 助教 (20569355)
佐藤 公宣 久留米大学, 医学部, 助教 (30738852)
梅野 博仁 久留米大学, 医学部, 教授 (40203583)
佐藤 文彦 久留米大学, 医学部, 助教 (50770749)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 声帯 / 組織幹細胞 / 幹細胞ニッチ |
Outline of Annual Research Achievements |
1.組織幹細胞と推察されているヒト成人声帯黄斑内の細胞の異種性(heterogeneity)と階層性(hierarchy)を検討した。 in vitroで黄斑内の細胞を培養すると、敷石様の多角形細胞、星細胞様の細胞、線維芽細胞様の紡錘形細胞が増殖し、黄斑内の細胞に異種性を認めた。またコロニー形成を認めた。in vivo(生体内)でも幹細胞性を持つ黄斑内の細胞群に3種類の細胞が存在し異種性を認めた。3種類の異種性を持った幹細胞群の中で、敷石様の多角形細胞のみにヒト胚性幹細胞のマーカーであるSSEA-3が発現(pluripotencyの性格を持つ)しており、同細胞が階層性の頂点にある細胞であることが示唆された。 2.組織幹細胞と推察されているヒト成人声帯黄斑内の細胞のエネルギー代謝をミトコンドリアの微細構造から検討した。 ヒト声帯黄斑内の細胞の細胞質にミトコンドリアが分布していた。ミトコンドリアは類円形で、直径は579±109nmであった。ミトコンドリアは外膜と内膜に囲まれ、intercristal spaceは基質で占められていた。基質は均質無構造又は細顆粒状であり、DNA細糸、リボヌクレオタンパク質 顆粒を認めた。ミトコンドリアのクリスタは少なく、内膜の辺縁に認めた。本研究により、ヒト声帯黄斑内の細胞ではミトコンドリア呼吸(酸化的リン酸化)が抑制され、嫌気的解糖系による糖質代謝などのエネルギー代謝が行われていることが示唆された。嫌気的解糖系によるエネルギー代謝は活性酸素種の産生が少なく、活性酸素種による細胞傷害(DNA損傷)を最小限にすることから、ヒト声帯黄斑内の細胞では、その未分化性・幹細胞性を維持する代謝プログラムが行われていることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度もさらに研究を推進する。
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Causes of Carryover |
補助研究の目的をより精緻に達成するための研究の実施(追加実験の実施、論文投稿など)
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Research Products
(12 results)
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[Journal Article] Endoscopic sealing with a polyglycolic acid sheet for restoration of vocal fold mucosa in dogs.2020
Author(s)
Mihashi R, Chitose S, Sato F, Sato K, Tanaka H, Sato K, Ono T, Fukahori M, Sueyoshi S, Kurita T, Sato K, Umeno H
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Journal Title
Laryngoscope
Volume: 130
Pages: E436-E443
DOI
Peer Reviewed
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