2019 Fiscal Year Research-status Report
ノイズ電気刺激が前庭系の神経細胞に及ぼす影響についての機能解析
Project/Area Number |
18K09369
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤本 千里 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (60581882)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安部 力 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (10585235)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 前庭 / in vivoイメージング / 前庭電気刺激 |
Outline of Annual Research Achievements |
マウスにノイズ前庭電気刺激を与えるために、容易に外れないような皮下に埋め込むタイプの刺激電極を作製した。 前庭神経核イメージングに最適化された遺伝子導入方法の検討を行った。前庭神経核細胞の広範囲スパースラベリング法として、アデノ随伴ウイルス(AAV1-hSyn-GCaMP6s, AAV1-hSyn-GCaMP6f, AAV1-hSyn-GCaMP7f)を用いた。マウスの頭部を水平に保つため、頭部固定装置と頭部固定プレートを改良し、安定して頭部を固定させた。マーキングの工夫を行い、前庭神経核に挿入する針先の挿入部位の後頭骨をスケルトナイズし、脳表を露出し針先を挿入した。適切なウイルス導入速度を検討し、前庭神経核内での感染陽性細胞が多くなるような条件で、前庭神経核への遺伝子導入が可能となった。前庭神経核は第四脳室に接するため、アデノ随伴ウイルスなどのウイルスインジェクションの際に確実かつ最適量のウイルスを感染させなければ、前庭神経核に存在する神経細胞に遺伝子導入できないことが明らかとなった。 前庭神経核に存在する神経細胞イメージングに用いるレンズの検討を行った。GRINレンズを用い、前庭神経核が見える位置まで挿入したところ、挿入後も全匹生存可能であった。 上記アデノ随伴ウイルスを感染させたマウスの前庭神経核のin vivoカルシウムイメージングを、GRINレンズを用いて試みたところ、前庭神経核の観察が可能となった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前庭神経核内での感染陽性細胞が多くなるような、インジェクションの最適な条件を探索し、標識化された神経細胞の観察法として、前庭神経核直上にGRINレンズを挿入する手法を確立した。 一方で、前庭神経核のin vivoカルシウムイメージングについて、前庭神経核の観察には成功したものの、現時点では成功率が低い。よって、ノイズ前庭電気刺激を与えた際の、前庭神経核のカルシウム応答による評価ができる状況には至っていない。 研究の進捗状況は、やや遅れていると判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
前庭神経核のin vivoカルシウムイメージングについて、前庭神経核の観察には成功したものの、現時点では成功率が低い。レンズの視野に血腫が生じ、前庭神経核を覆い隠すなどの現象が生じている。手術手技の上達、あるいは、血腫が映らないようにする工夫を検討する必要がある。 ノイズ前庭電気刺激をしながら、2光子顕微鏡下にGRINレンズを用いて前庭神経核のin vivoイメージングを行い、神経応答の変化を確認する。また、同時に、観察窓の最適化を検討しスパインレベルの解像度でのin vivoイメージングの実現を試みる。小脳のイメージング法については、トランスジェニックマウスラインの導入を検討する。
|
Research Products
(12 results)