2019 Fiscal Year Research-status Report
OCTを用いた内リンパ水腫軽減効果のin vivoイメージングに関する研究
Project/Area Number |
18K09378
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
柿木 章伸 神戸大学, 医学研究科, 特命教授 (60243820)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | OCT / 内リンパ水腫 / イソソルビド / 浸透圧利尿剤 / モルモット |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、メニエール病の治療薬の内リンパ水腫軽減効果をin vivoでOCTを用いて観察し、薬理効果とその発現様式を解明することにより、治療薬の効果 判定に役立てることである。さらに、メニエール病の新しい治療薬となる可能性がある薬剤の評価を行うことである。学術的独自性と創造性については、方法論 としては、OCTは主に眼科、皮膚科、循環器領域で研究が行われているが、内耳における研究は我々の報告を含め僅かに認めるのみである。さらに、OCTを用いて in vivoで内リンパ水腫の変化を観察し、その程度を評価した報告は無い。これらの点が本研究の特色であり、独創的な点でもある。 研究計画の実験1(モルモットを深麻酔下に後頭開頭、内リンパ嚢を露出後、内リンパ嚢を電気凝固し、内リンパ嚢閉塞術を行う。その後、4週間飼育し、内リン パ水腫モルモットを作成する。この内リンパ水腫モルモットを深麻酔下に頭部固定器に固定し、腹側アプローチにて中耳骨胞を開放し蝸牛を露出させる。その後に、メニエール病の治療薬であるイソソルビドを中耳骨胞内に投与し、内リンパ腔の増加率の計測を行った。イソソルビドの濃度は経口投与と同様の70%とし、投与時間は5分その後除去し、10分間蝸牛内部構造を観察するものである。内リンパ腔の増加率はイソソルビド投与前は内リンパ水腫動物では75.6±17.8%(n=5)、イソソルビド投与後は42.1±2.1%であった。正常動物ではイソソルビド投与前は21.1±6.0%(n=3)、イソソルビド投与後は0.0±-0.1%であった。内リンパ水腫動物、正常動物いずれにおいてもイソソルビド投与後に有意(t検定、P<0.01)に内リン パ腔が縮小していた。次年度は イソソルビドの濃度を変えて同様の実験を行い、濃度依存性に内リンパ水腫軽減効果があるか否かを検討する。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の実験計画通り、メニエール病治療薬の効果をOCTを用いて評価することができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
内リンパ水腫モルモットに浸透圧利尿薬であるイソソルビドを種々の濃度に調整して中耳骨法内に投与し、OCTにて蝸牛内部構造の観察を行 い、各濃度の内リンパ水腫軽減作用を計測する予定である。
|
Causes of Carryover |
少額のため適当な支出項目がなく、次年度に使用することとした。
|