2018 Fiscal Year Research-status Report
糖尿病網膜症の進行阻止における血液凝固関連因子が果たす新たな機能の解明
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18K09402
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
杉本 昌彦 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (00422874)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
Gabazza Esteban 三重大学, 医学系研究科, 教授 (00293770)
近藤 峰生 三重大学, 医学系研究科, 教授 (80303642)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | Protein-S / 凝固因子 / 糖尿病 / 糖尿病網膜症 |
Outline of Annual Research Achievements |
Protein-S(PS)が糖尿病網膜症(DR)進行抑制に果たす役割についてはこれまで報告がなく、血糖上昇抑制作用や腎症との関連を考えると、DRや糖尿病黄斑浮腫(DME)の進行抑制に何らかの役割を果たしている可能性が推察される。今回、我々は、DM患者では凝固系が亢進し、続発する炎症による変化が生じるために網膜血管や外層の恒常性が維持できず、病状進展に結びつくのではないかという仮説を立てた。これは単なる凝固活性の抑制のみならず、抗炎症作用や細胞死制御などPSの持つ種々の作用が関連している可能性があると考えている 本年度は、まず糖尿病におけるの働きについて臨床検体を用いて検討した。 DMEを伴う糖尿病患者、DMEを伴わない糖尿病患者、正常眼検体を用いてPS濃度を測定した。既報のように、血液中のPSは糖尿病群において有意に正常群に比し低かった。また、DMEの有無や形状がPS濃度に影響するかどうかについても検討した。同時に、光干渉断層計(OCT)によって定量された網膜厚とPS濃度の相関関係についても検討した。 次に、術中採取した増殖組織におけるPSの局在についても検討を行った。 網膜を採取することは困難であったため、海外より剖検眼(正常眼と糖尿病眼)を入手し、免疫染色にてPSの局在を確認した。糖尿病網膜におけるPSの局在が正常眼と異なるか否かを検討した。 また、培養ヒト網膜色素上皮細胞を用いてPSの眼内における作用を検討した。培養ヒト網膜色素上皮細胞にPSを添加し、抗Apoptosis効果や細胞間接着装置への影響について検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通りに進展しており、2019年度は次のステップに移行する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
Protein-Sのトランスジェニックモデルを作成し、糖尿病網膜におけるProtein-Sが果たす役割を明らかにする。
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Causes of Carryover |
購入予定物品を次年度に購入するため。
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