2019 Fiscal Year Research-status Report
糖尿病網膜神経変性におけるneurovascular unitの役割の解明
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18K09409
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
楠原 仙太郎 神戸大学, 医学研究科, 講師 (40437463)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
淺原 俊一郎 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (00570342)
橘 吉寿 神戸大学, 医学研究科, 准教授 (50373197)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 糖尿病網膜症 / アストロサイト / neurovascular unit / in vivoイメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
糖尿病マウスにおけるneurovascular unit障害の評価と網膜グリア細胞の2光子顕微鏡を用いたin vivoイメージングを行った。 1. 研究内容:糖尿病マウス網膜におけるneurovascular unit障害を明らかにするために、neurovascular unit構成要素の変化を免疫染色で評価し、糖尿病マウス(InsCre;Pdk1flox/floxマウス)ではコントロールマウスと比較してラミニンが菲薄化と網膜神経節細胞繊維軸索束の細狭化を生じることを明らかとした。また、同時期における網膜虚血(Hypoxyprobeを使用)および網膜血管透過性亢進(高分子デキストランを使用)の調べたところいずれも明らかな異常を示さなかったがアストロサイトの密度は減少傾向にあった。網膜グリア細胞であるアストロサイトとミクログリアについては2光子顕微鏡によるin vivoイメージングを行った。アストロサイトについてはカルシウムイメージング、ミクログリアについては細胞動態での評価を継続しているが、より詳細な画像を得るために撮影用コンタクトレンズを改良中である。 2. 研究の意義: 実験結果から持続高血糖下ではラミニンの減少と網膜神経節細胞障害に加えてアストロサイトが減少している可能性が示された。この段階におけるアストロサイトの機能的変化をより詳細に可視化できれば高血糖におけるneurovascular unit障害を早期に評価できると考える。 3. 研究の重要性:本研究によって糖尿病早期における細胞レベルでの網膜機能評価を可能にするする技術が確立されれば糖尿病網膜症による失明予防に大いに貢献できると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
糖尿病マウス網膜におけるneurovascular unit障害の進行の確認についてはほぼ達成されている。網膜アストロサイトのin vivoイメージングについては、アデノ随伴ウイルスの硝子体注射を用いてアストロサイトにおける細胞内カルシウムイメージングに成功している。アストロサイト死を誘導する遺伝子改変マウスの産仔が十分に得られていないことから、実験の進捗状況はやや遅れているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
網膜アストロサイトのin vivoイメージングについては解像度をあげてより詳細な画像の取得を目指している。神経節細胞軸索とミクログリアをアストロサイトと同時に可視化する取り組みも進めている。また十分な産仔が得られればアストロサイト死を誘導する遺伝子改変マウスでの解析を進める予定である。
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Causes of Carryover |
H31(R1)年度はマウスの十分な産仔が得られず使用額が予想を下回る結果となった。その後マウスの交配を増やしたことから、今後は十分な産仔が得られれば通常通りに研究が進むと予想される。また安定した産仔を得るための人工授精の利用も検討している。従って、経費については交付申請どおりの使用を計画している。
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Research Products
(2 results)