2018 Fiscal Year Research-status Report
ゲノム編集技術を用いた網膜における長寿遺伝子の機能解明:加齢黄斑変性の予防戦略
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18K09410
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
森實 祐基 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 准教授 (50432646)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大内 淑代 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (00253229)
米澤 朋子 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (30304299)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 加齢黄斑変性 |
Outline of Annual Research Achievements |
加齢黄斑変性(Age-related macular degeneration,以下AMD)は失明に至る難治性の眼疾患であり,加齢を背景とした網膜色素上皮細胞(以下RPE)の機能低下(老化)が原因で発症する。申請者はこれまでに,長寿遺伝子の一つであるAMP活性化プロテインキナーゼ(以下AMPK)に着目し,その活性を薬剤によって変化させ、AMPKの活性化が様々な眼疾患の病態を改善することを明らかにしてきた。しかし,AMPKやその他の長寿遺伝子が網膜やRPEの老化に及ぼす影響は不明であり,また、薬剤の非特異的作用のために,長寿遺伝子の真の機能を検討することが困難であるという問題があった。そこで本研究では,主要な長寿遺伝子であるサーチュイン(以下SIRT)とAMPKに着目し,これらの遺伝子が網膜やRPEの老化に及ぼす影響を,ゲノム編集技術を用いて作成した遺伝子改変RPEおよびマウスを用いて明らかにする。そして,十分な治療法が存在しない加齢黄斑変性の新規予防法を開発するための基盤となる成果を得る。 上記の目的を達成するために当該年度は、SIRT遺伝子に着目し、CRISPR/Cas9等のゲノム編集技術を用いてiPS細胞のSIRT遺伝子のゲノム編集に着手した。iPS細胞のゲノム編集の前段階として、ゲノム編集の効果を確認するために、培養が簡便でゲノム編集を高い確率で行うことができる細胞を用いてゲノム編集を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
SIRT遺伝子のゲノム編集に有効なガイドRNAのデザインとその効果の確認に時間を要しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
HEK細胞などを用いて、SIRT遺伝子のゲノム編集に有効なガイドRNAのデザインを確定する。そして、iPS細胞への導入と効果判定を行い、SIRT遺伝子のゲノム編集を行ったiPS由来網膜色素上皮細胞への分化転換へとつなげる。
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Causes of Carryover |
実験消耗品が予定よりも安価に済んだため次年度使用額が生じた。これについては次年度に物品費として使用予定である。
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