2018 Fiscal Year Research-status Report
Rhoキナーゼ阻害薬の薬理学的検討と虚血性視神経症ラットモデルへの有効性の検討
Project/Area Number |
18K09414
|
Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
杉本 貴子 宮崎大学, 医学部, 助教 (40381074)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日高 貴子 宮崎大学, 医学部, 助教 (00751140)
中馬 秀樹 宮崎大学, 医学部, 准教授 (20244204)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | Rhoキナーゼ / 後毛様動脈 / 家兎 |
Outline of Annual Research Achievements |
緊張状態にない摘出家兎後毛様動脈に対して Rhoキナーゼ阻害薬に血管拡張作用があるのか調べた。high-K solutionによる血管収縮をさせずにRhoキナーゼ阻害薬を投与すると、投与前後で血管に変化はなく、血管拡張作用は認めなかった。 後毛様動脈をhigh-K solutionにより、血管収縮させ、Rhoキナーゼ阻害薬を投与したところ、血管弛緩作用を認めた[濃度(0.1nM)90.1±2.97%、(1nM)83.4±4.76%、(10nM)76.9±6.94%、(100nM)53.5±7.43%、 (1μM)15.84±3.2%、(10μM)9.25±1.9%、(100μM)5.9±2.58% (contraction rate compared to the maximal contraction, mean±SEM, n= 12 )]。その血管弛緩作用は用量に依存していた。 Rhoキナーゼ阻害薬による血管弛緩作用と血管内皮細胞との関連を明らかにするために、血管内皮細胞を擦過障害させた後Rhoキナーゼ阻害薬を投与し血管が弛緩するか確認した。内皮の有無により有意差はなかった。 Rhoキナーゼ阻害薬による後毛様動脈の弛緩作用にNOが関連するか明らかにするために、carboxy-PTIO、L-NAMEを加え、Rhoキナーゼ阻害薬を投与し血管弛緩作用の変化をみたが、carboxy-PTIO、L-NAMEの有無による弛緩作用に有意差は認めなかった(n=5、n=7)。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究計画は、Rhoキナーゼ阻害薬による家兎単離後毛様動脈への弛緩作用を薬理学的に検討することであり、おおむね計画通りに進めることが出来た。
|
Strategy for Future Research Activity |
Rhoキナーゼ阻害薬がラットの視神経乳頭血流を増加させるかを明らかにするために、非動脈炎性虚血性視神経症(NAION)ラットモデルにおいて、Rhoキナーゼ阻害薬を点眼投与した群と、生理食塩水を点眼した群とで LSFG Analyzerを用いて視神経乳頭の血流測定を行う。視神経乳頭周囲に沿って眼底写真で確認しながら血流測定流域を確認する。 NAIONラットモデル作成3時間後にRhoキナーゼ阻害薬を点眼投与し自然経過群との比較で治療効果を判定する。治療効果は網膜神経線維による、形態学的変化、STR測定による視神経節細胞機能評価、生存視神経節細胞数カウントによる組織学的評価で行う。網膜視神経線維厚の測定は、光干渉断層検査による。測定は、投与1、3、7、14、28、56日目に行う。STRの測定は12時間の暗順応後筋肉麻酔下において測定する。ラット用コンタクトレンズ型電極を関電極として、光刺激はGanzfeld刺激装置を用いて平均30回加算し測定を行う。視神経節細胞数のカウントは蛍光顕微鏡を用いて行う。ラットの視覚皮質に相当する部位にドリルで穴をあけ、上丘を露出させそこにスポンジェルに浸透させたフルオロゴールドを塗布し、逆行性に視神経節細胞まで到達させ、視神経乳頭近傍、網膜末梢部、その中間を上下耳鼻側計12か所でカウントし視神経節細胞の総数とする。
|
Causes of Carryover |
本年度は既存の設備で実験を行うことが出来たため使用せず、次年度使用とした。次年度は実験手術器具や実験用動物、薬品代などに使用予定である。
|