2019 Fiscal Year Research-status Report
老化細胞除去薬による免疫応答関連ドライアイの新規治療法の開発
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18K09421
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
小川 葉子 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任准教授 (30160774)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ドライアイ / 涙腺 / 慢性移植片対宿主病 / 老化細胞除去剤 / ABT-263 / 治療薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、涙腺をはじめとしたGVHD標的臓器に集積する老化細胞に焦点をあて、老化細胞が産生する SASP 因子のGVHD標的臓器への影響について分子基盤の解明、老化細胞除去剤 (Chang J, Nat Med, 2016)のGVHD抑制効果を検討しGVHDによるドライアイの病態への老化細胞の関与を追究することを目的とした。科研費申請研究計画に沿った当該年度までの研究成果をまとめることができ英文論文FASEB Jへ投稿し高い評価を受けた。 査読者から1)メカニズムに踏み込んだ検討 2)SASP因子を放出する細胞の同定のための多重免疫染色、3)病態に関連するマクロファージの由来(ドナー由来またはレシピエント由来)、4)老化細胞除去剤の至適濃度を決めるためのよりスタンダードな指標の設定と至適濃度の決定、5)Supplemental figureとしていた仮説図を拡大し、Main figureとして用いることなど建設的な意見が寄せられた。 これらのコメントに基づき追加実験を行い、GVHDにおける病的マクロファージはIL-6を高度に産生し、その一部はコントロールに比して老化マーカーp16を発現していることを突き止めた。2重染色、3重免疫蛍光染色を行い、老化マクロファージマーカーCD68を発現している細胞がIL-6, CXCL9のようなSASP因子を共発現をしていること確認した。GFPマウスをドナーマウスとして検証し、病的マクロファージはそのほとんどがGFP陽性でドナー由来であることがわかった。老化細胞除去剤 ABT-263のGVHDマウスモデルにおける抑制効果の至適濃度は25mg/kgであることを確認した。 これらの結果を得るための追加実験を繰り返し施行し総合して、論文の改訂を行い、論文アクセプトにむけ準備を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1)病態メカニズムを追究するための検討 2)SASP因子を放出する細胞の同定のための多重免疫染色、3)病態に関連するマクロファージの由来(ドナー由来またはレシピエント由来)、4)老化細胞除去剤の至適濃度を決めるためのよりスタンダードな指標の設定と至適濃度の決定、のような追加実験を行った結果、GVHDにおける病的マクロファージはIL-6を高度に産生し、その一部はコントロールに比して老化マーカーp16を発現していることを突き止めた。老化マクロファージがIL-6, CXCL9のようなSASP因子と共発現をしていること確認し、病的マクロファージはそのほとんどがドナー由来であることがわかった。老化細胞除去剤 ABT-263のGVHDマウスモデルにおける抑制効果の至適濃度は25mg/kgであることを確認するといった結果をえることができ計画書に沿った結果を得ることができたため概ね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
1)論文改訂を完了して、再投稿論文掲載をめざす。2)老化細胞除去薬による免疫原性線維化及び炎症抑制の検証について未施行の部分をすすめる。選択的老化細胞除去薬 GVHDマウスモデルに投与し、28日目のGVHD各標的臓器におけるSASP 関連分子(IL-1β, IL-8, TGF-β)の発現抑制の有無を遺伝子と蛋白レベルで対照薬投与群と比較検討する。3)基礎研究POC取得を目標に老化細胞除去剤の有効性、毒性、副作用の有無、薬物動態をGVHDマウスモデルで検証する。両群に必要なマウス数は、骨髄移植の成功率が80%、薬剤投与の成功率が80%とすると各群に18匹ずつ必要であるため繰り返し実験をして再現性を得る予定である。(Sample size estimation for McNemar's test)。4)臨床研究への準備として倫理委員会申請書類準備を開始する。血液内科との連携を構築する。
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Research Products
(17 results)
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[Journal Article] Ocular graft-versus-host disease after hematopoietic cell transplantation: Expert review from the Late Effects and Quality of Life Working Committee of the CIBMTR and Transplant Complications Working Party of the EBMT.2019
Author(s)
Inamoto Y, Valdes-Sanz N, Ogawa Y, Alves M, Berchicci L, Galvin J, Greinix H, Hale GA, Horn B, Kelly D, Liu H, Rowley S, Schoemans H, Shah A, Lupo Stanghellini MT, Agrawal V, Ahmed I, Ali A, Bhatt N, Byrne M, Chhabra S, DeFilipp Z, Fahnehjelm K, Shaw BE, Petricek I
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Journal Title
Bone Marrow Transplant
Volume: 54
Pages: 662-673
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Commensal microflora in human conjunctiva; characteristics of microflora in the patients with chronic ocular graft-versus-host disease.2019
Author(s)
Shimizu E, Ogawa Y, Saijo Y, Yamane M, Uchino M, Kamoi M, Fukui M, Yang F, He J, Mukai S, Tsubota K.
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Journal Title
Ocul Surf.
Volume: 17
Pages: 265-271
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] A novel and innovative paper-based analytical device for assessing tear lactoferrin of dry eye patients.2019
Author(s)
Sonobe H, Ogawa Y, Yamada K, Shimizu E, Uchino Y, Kamoi, M, Saijo Y, Yamane M, Citterio D, Suzuki K, Tsubota K.
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Journal Title
Ocul Sur
Volume: 17
Pages: 160-166.
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Presentation] Stress-induced senescence in chronic ocular graft-versus-host disease in mice.2019
Author(s)
Ogawa Y, Yamane M, Shimizu E, Shibata S, Hayano M, Suzuki T, Mukai S, Shimmura S, Okano H, Takeuchi T, Kawakami Y, Tsubota K.
Organizer
The Association for Research in Vision and Ophthalmology (ARVO) 2019 Annual Meeting
Int'l Joint Research
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