2018 Fiscal Year Research-status Report
腸管・口腔・結膜嚢細菌叢解析による眼疾患診断法の開発
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18K09436
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
横倉 俊二 東北大学, 大学病院, 講師 (30400378)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
針谷 威寛 東北大学, 大学病院, 助教 (60569573)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 次世代シークエンサー / 細菌叢 / 自己免疫性眼疾患 / 緑内障 / ドライアイ |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は研究参加への同意が得られた視神経炎5例、ぶどう膜炎20例、緑内障(正常眼圧型)40例、ドライアイ(BUT短縮型)30例、および健常者40例から、糞便・唾液・結膜嚢洗浄液を採取し、Kim SWらの方法(DNA Res 2013)を用いてDNA抽出を行い、次世代シークエンスを実施した。結膜嚢洗浄液については、抽出DNAを用いてMultiplex PCRを行い、病原微生物の存在が疑われた症例は解析から外した(40例中1例)。その後OTU (Operational taxonomic unit)解析によるグループ化を行い、公共データベースを用いた類似度検索を行って各症例サンプルでの細菌組成を決定した。視神経症例はまだ数が少ないため今回はそれ以外の疾患群それぞれと健常者群との間で細菌叢のUniFrac解析を行った。 その結果ぶどう膜炎、緑内障、ドライアイ群それぞれで、健常者群とは異なる細菌組成が見い出された。更に得られたシークエンスデータからヒトリファレンス配列をBLAST解析を用いて除去し、Noguchi Hらの方法(DNA Res 2008)を用いてメタゲノム解析を行った。その結果各疾患毎に以下の数の細菌が疾患特異的細菌の候補として同定された。即ち、ぶどう膜炎では腸内細菌8例、口腔内細菌4例、結膜嚢細菌2例が、緑内障では腸内細菌5例、口腔内細菌5例、結膜嚢細菌2例が、ドライアイでは腸内細菌5例、口腔内細菌4例、結膜嚢細菌5例がそれぞれ同定された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画に組み入れる予定の症例数はそれぞれ計画期間全体で視神経炎20例、ぶどう膜炎80例、緑内障(正常眼圧型)80例、ドライアイ(BUT短縮型)80例、健常者80例であるが、これに対して今年度は視神経炎5例、ぶどう膜炎20例、緑内障(正常眼圧型)40例、ドライアイ(BUT短縮型)30例、および健常者40例からのサンプルを得て疾患特異的細菌の候補同定まで行うことができた。このように視神経炎以外の解析は概ね順調に進展していると考えられるから。
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Strategy for Future Research Activity |
ぶどう膜炎、緑内障(正常眼圧型)、ドライアイ(BUT短縮型)、健常者については引き続き目標症例数に達するまで組み入れを行っていく。視神経炎については新規発症患者の組み入れのみでは症例数の蓄積が困難な面があるため、陳旧例等治療後の症例にも対象を広げて組み入れを行うことで、目標症例数の確保に努める方針である。
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Causes of Carryover |
当初解析予定であった視神経炎の症例のエントリーがまだなされておらず、その分の費用が使用されなかったため、次年度使用額が生じたと考えられる。このため次年度は視神経炎の組み入れと解析を優先的に行い、またその他の予定疾患についても遅滞なく組み入れと解析を行うことで、翌年度分として請求した助成金と合わせて予定通り助成金を使用する計画である。
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Research Products
(3 results)