2018 Fiscal Year Research-status Report
カニクイザル網膜静脈閉塞症モデルに対するリポソームによる薬物治療の開発
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18K09443
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
西信 良嗣 滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (30379193)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
一山 悠介 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (10749021)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 網膜静脈閉塞症 / たんぱく質 / リポソーム |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究実施計画に従い研究を遂行した。改良コール酸除去法により、リポソームにタンパク質を内包した。tPA、ブタ IgG、β-galactosidase、Heparine、HSA-Cy5.5の各蛋白質を内包した。内包率は各々、3.0、4.3、5.9、0.4、2.5%であった。いずれのリポソームも動的光散乱法により粒子径を測定したところ、粒子径100nmを有しており、空リポソームと比較してもリポソームの崩壊などは観察されなかった。次にヒトIgGを用いて、IgG濃度25mg/mlのIgG内包リポソームが作製可能であるか検討した。脂質成分DPPC/DPPE/DCP/Cholesterol/Ganglioside (15/5/5/40/15 モル比) を秤量し、改良コール酸除去法により、IgG内包リポソーム溶液を得た。得られたリポソーム溶液に架橋試薬BS3を加えて撹拌し、リポソーム膜上にヒト血清アルブミンを結合させた。粒子径、脂質濃度、内包IgG濃度を測定した。IgG内包リポソームは、粒子径125nm、内包IgG濃度が2.11mg/mlであった。ヒト血清アルブミンを結合させたIgG内包リポソームは、粒子径111nm、内包IgG濃度が1.66mg/mlであった。濃縮操作により、IgG濃度25mg/mlのリポソームが可能であった。内包効率は使用IgG量の21.1、16.6%であった。Cy5.5内包リポソーム(蛍光色素内包リポソーム)を作成したところ、粒子径82nm、内包タンパク質濃度が1.4mg/mlであった。冷蔵保存、13か月後においても粒子径89nm、内包タンパク質濃度が1.3mg/mlであり、長期にわたって安定することが証明された。眼球内への1回の投与量が0.05mlであるとすれば、各々64回分、48回分に相当し、実験使用上可能なリポソームを作製できることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度の研究実施計画に従い研究を遂行したが、硝子体内注射に使用可能なリポソーム溶液の作成に予想以上の時間を要した。リポソームの脂質混合比を調節することにより、リポソームの崩壊性を検討したが、試行錯誤のため予想以上に時間がかかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は作製したリポソームが十分な薬剤徐放性を有するかをまずin vitroで検討を行い、その後にin vivoで検討を行いたい。
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Research Products
(4 results)