Outline of Annual Research Achievements |
作製したCy5.5内包リポソーム(蛍光色素内包リポソーム)に抗VEGF薬(アバスチン)の内包を試みた。各脂質を秤量し、クロロホルム/メタノール(1:1 容量比)に溶解し、改良コール酸除去法によりアバスチン,HSA-Cy5.5内包リポソーム溶液を作製した。リポソーム溶液は、粒子径132nm、ζ電位-50.0mV、アバスチン濃度40.0mg/ml、脂質濃度27.1mg/mlであった。37℃の恒温装置内に静置して、0, 3, 7, 10日後に、限外濾過により、リポソームから漏出したアバスチンを除去し、粒子径分布、ゼータ電位、リポソーム溶液中のアバスチン定量(Bradford法、ELISA法)を行った。漏出アバスチン量は、0, 3, 7, 10日後には各々、0, 416, 640, 1312μgとなった。漏出したアバスチン量は経時的に増加していることが証明され、10日で32.8%であった。経時的なアバスチンの徐放効果が認められた。次により長期にアバスチンの徐放効果を検討した。37℃の恒温装置内に静置して、0, 3, 7, 10, 14, 30, 45, 60日後に、限外濾過後のリポソーム溶液中のアバスチン定量をBradford法により行った。0, 3, 7, 10, 14, 30, 45, 60日後のリポソーム内のアバスチン量は各々、4000, 1920, 1200, 720, 160, 400, 160, 80μgであった。リポソーム外に漏出したアバスチン量は各々、0, 0.213, 0.182, 0.587, 0.561, 1.020, 3.436μgであった。リポソーム内のアバスチン量は経時的に減少し、リポソーム外に漏出したアバスチン量は経時的に増加している。以上より経時的なアバスチンの徐放効果が認められた。徐放効果がある薬剤内包蛍光標識リポソームが作製できることが判明した。
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