2018 Fiscal Year Research-status Report
増殖組織特徴的遺伝子発現を基盤とした個別化「硝子体内分子切除」治療概念の確立
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18K09450
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
吉田 茂生 久留米大学, 医学部, 教授 (50363370)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 桂二郎 九州大学, 大学病院, 助教 (00795304)
園田 康平 九州大学, 医学研究院, 教授 (10294943)
池田 康博 九州大学, 医学研究院, 准教授 (20380389)
久冨 智朗 九州大学, 医学研究院, 准教授 (50404033)
中尾 新太郎 九州大学, 大学病院, 講師 (50583027)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 糖尿病網膜症 / ペリオスチン / 線維血管増殖 / 質量分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
マトリセルラー蛋白であるペリオスチン・テネイシンCを培養ヒト網膜色素上皮細胞に強制発現後Flag抗体をタンデムアフィニティー精製により用いて抽出し、SDSPAGE,銀染色で確認後、分子量単位で切り出しを行い、蛋白複合体の構成蛋白を質量分析で同定した。 ペリオスチン、テネイシンCいずれの強制発現株においても質量分析により各々テネイシンC、ペリオスチン蛋白の存在が確認された。その他ファイブロネクチン、オステオポンチンなどの蛋白がペリオスチン、テネイシンC蛋白複合体として抽出された。免疫沈降法でこれらの関連蛋白結合の再現性を確認した。 新たに異動した久留米大学病院において、患者硝子体手術中に硝子体液を安全に採取し、保存する方法を最適化した。また、網膜上線維血管増殖組織の摘出方法、摘出から固定までの時間の計測方法、研究室への移送方法などを解剖学教室、病理学教室と連携して最適化した。また、久留米大学に導入されているFIB/SEM装置を用いて網膜上線維血管増殖組織の3次元微細構造解析を試みた。丸まっている術中採取組織を進展して、FIB/SEM装置を用いた3次元微細構造解析に可能な標本作製を試みた。 さらに糖尿病網膜症患者硝子体中でテネイシンC、ペリオスチンの濃度を計測した。テネイシンCとペリオスチンは互いに高い相関を示し、実際の患者の病態形成にペリオスチン・テネイシンC蛋白複合体が積極的に関与している可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
申請者の九州大学から久留米大学への異動に伴うセットアップ手続きなどに時間を要した。また研究補助員のトレーニングが新たに必要となった。
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Strategy for Future Research Activity |
質量分析血管の再現性を検証する。再度テネイシンCを培養ヒト網膜色素上皮細胞に強制発現後Flag抗体で抽出し、蛋白複合体の構成蛋白を質量分析で同定する。 前回の質量分析により得られた結果と比較して、再現性のある蛋白をリストアップし、患者硝子体や増殖組織での発現をスクリーニングする。
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Causes of Carryover |
質量分析の再現性を確認するため、ペリオスチン・テネイシンC蛋白複合体強制発現株を用いた質量分析解析を複数回行う予定であったが、九州大学から久留米大学への異動に伴うセットアップ手続きなどになどに時間を要したため、実験遂行が遅延した。繰り越し分を用いて引き続き、質量分析解析を行っていく。
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