2020 Fiscal Year Research-status Report
眼内炎症における酸化リン脂質の細胞障害性とその代謝の解明
Project/Area Number |
18K09452
|
Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
平岡 美紀 北海道医療大学, 予防医療科学センター, 准教授 (80246983)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大黒 浩 札幌医科大学, 医学部, 教授 (30203748) [Withdrawn]
阿部 晃 札幌医科大学, 医学部, 講師 (70136927) [Withdrawn]
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | ぶどう膜炎 / 酸化リン脂質 / 房水 / マクロファージ / 細胞毒性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、眼内炎症での酸化リン脂質代謝と細胞障害性の関係を解明することである。 2018年度の研究では、ラットのぶどう膜炎モデルと臨床検体を用いて、房水内の酸化リン脂質を質量分析(LC-MS)にて分析した。その結果、6種の短鎖型の酸化リン脂質が検出され、いずれも炎症群で増加していた。 2019年度の研究では、この6種の酸化リン脂質のうち、純品が入手可能な4種について、in vitroで網膜色素上皮細胞への細胞障害性を比較した。また、マウスの肺胞マクロファージを用いて、マクロファージの酸化リン脂質代謝への役割を検討した。その結果、酸化リン脂質をマクロファージで前処理すると網膜色素上皮細胞への細胞障害性が抑制された。このことは、活性型マクロファージによって酸化リン脂質が代謝され、炎症に伴う細胞障害を制御している可能性を示した。 また、リン脂質代謝酵素の一つであるLPLA2のコレステロールに対する代謝反応についても解析した。 2020年度は、北海道医療大学へ移動となった。これまでの研究結果を論文にまとめ、発表した。また、北海道医療大学での実験開始のため、動物実験申請などの事務手続きや研究環境整備の準備を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年は北海道医療大学への移動に伴い、実験環境の整備が必要であった。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後の計画は、酸化リン脂質酵素の欠損マウスを用いて、眼内炎症を誘導した際の病型を野生型と比較する。また、酸化リン脂質の発現量も比較する予定である。 次年度は最終年度となるため、研究結果をまとめ、発表する予定である。
|
Causes of Carryover |
2020年度に北海道医療大学へ移動したため、動物実験を始めとする実験環境の整備を要した。そのため、研究期間を1年延長し、当初予定していた研究計画を完了する予定である。 具体的にはリン脂質代謝酵素の欠損マウスを用いて眼内炎症を誘導し、その病型とリン脂質の関係を明らかにすることである。
|