2021 Fiscal Year Annual Research Report
The cytotoxicity of oxidized phospholipids in intraocular inflammation
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18K09452
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
平岡 美紀 北海道医療大学, 予防医療科学センター, 准教授 (80246983)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大黒 浩 札幌医科大学, 医学部, 教授 (30203748) [Withdrawn]
阿部 晃 札幌医科大学, 医学部, 講師 (70136927) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ぶどう膜炎 / 酸化リン脂質 / 房水 / マクロファージ / 細胞毒性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、眼内炎症における酸化リン脂質の代謝と細胞障害性の関係の解明を目的とする。 2018年度には、ラットのぶどう膜炎モデルで、房水中の酸化リン脂質を質量分析(LC-MS)にて分析を行なった。その結果、6種の短鎖型酸化リン脂質が検出され、いずれも炎症群で多い傾向にあった。 2019年度は、in vitroで網膜色素上皮細胞株を用いて、4種の短鎖型酸化リン脂質それぞれによる細胞障害性を比較した。その結果、いずれの酸化リン脂質でも濃度依存性に細胞障害をきたした。また、マクロファージによる酸化リン脂質の代謝を調べるために、マウスの肺胞マクロファージで酸化リン脂質を前処理すると、網膜色素上皮細胞株への細胞障害が抑制された。このことは、活性型マクロファージにより酸化リン脂質が代謝され、炎症に伴う細胞障害を抑制すると考えられた。 2020年度は、北海道医療大学へ移動となり、実験開始のため、動物実験申請などの事務手続きや研究環境整備を行なった。 2021年度は、細胞障害の機序を解明するために、網膜色素上皮細胞株に酸化リン脂質を添加した際の細胞内のATP、NAD+の分析を行なった。その結果、酸化リン脂質の添加によって、ATP、NAD+とも減少することを見出した。 これらの結果から、眼内炎症に引き続いて起きる細胞障害において、炎症による酸化ストレスによって、眼内での酸化リン脂質の産生が増加し、細胞障害が引き起こされると考えられた。また、この際に細胞内のATP減少によって、細胞の修復能力が低下することが一因となることを示した。一方、活性型マクロファージが酸化リン脂質を処理することによって、細胞障害を防御することを明らかにした。
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