2019 Fiscal Year Research-status Report
生後のIGF-1投与が未熟児網膜症に与える影響の基礎研究
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18K09459
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
齋藤 雄太 昭和大学, 医学部, 講師 (70407477)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 未熟児網膜症 / IGF-1 / VEGF / OIR |
Outline of Annual Research Achievements |
妊娠S-Dラットを購入し、妊娠15日目から妊娠母ラットを低蛋白食(10%蛋白含有食) で飼育し、低蛋白食群で胎児の子宮内発育不全(SGA)を誘発させた。酸素負荷を生直後より日齢14(P14)まで、50%酸素下で24時間、10%酸素下で24時間を1クー ルとして、7クール行い飼育した。P4からP14までIGF-1(1000ug/g体重)もしくはPBS(コントロール)を1日1回皮下投与した。P14で過剰麻酔後、採血、両眼摘出して右眼は網膜展開標本を作成して無 血管領域を測定し、左眼は網膜組織を摘出、ホモジェネートして網膜内VEGF及びIGF-1濃度を測定した。血液から血中IGF-1濃度を測定した。 その結果、P14のSGAラットではIGF-1投与群(n=7)とコントロールラット(n=6)との比較で、血中IGF-1濃度は291.9±33.7ng/mL、342.1.2±38.9ng/mLと有意差が認められた。しかし、P14での体重(21.3±1.0g vs 20.6±1.0g)、無血管領域面積(38.9±6.1% vs 31.2±11.7%)、網膜内VEGF濃度 (485.0±88.1pg/mg vs 444.3±84.3pg/mg)、網膜内IGF-1濃度(176.7±69.3pg/mg vs 127.2±16.5pg/mg)には有意差が認められなかった。 IGF-1の投与で、P14における血中のIGF-1濃度が有意に減少していた点は、当初の予想と逆の結果であった。今後は実験の再現性の確認とP18での網膜症の抑制効果について検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初、P18での網膜症の評価も行う予定であったが、仔ラットがP18前に死亡してしまったため実行できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
外因性IGF-1の投与で、OIRのSGAモデルラットのP14における血中のIGF-1濃度が有意に減少していた点は、当初の予想と逆の結果であった。今後は実験の再現性の確認とIGF-1投与にP18での網膜症の抑制効果について検討する。
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Causes of Carryover |
サンプル測定に使用するElisaキットが、動物の死亡により購入数量が少なくなったため、翌年度に繰り越し物品の購入に補填として使用予定である。
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