2019 Fiscal Year Research-status Report
メチルセルロースを用いた角膜輪部上皮オルガノイドの長期培養法の確立
Project/Area Number |
18K09461
|
Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
比嘉 一成 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (60398782)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | オルガノイド / ニッチ / 角膜輪部上皮 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々はこれまでに角膜上皮の幹細胞と幹細胞を維持する環境であるニッシェを分離し、オルガノイド培養法を用いることで長期培養を可能としてきた。これにより、輪部機能不全を伴った難治性の疾患に対する適応の拡大が期待される。本研究ではさらに再生医療として現実性を高めるため、すでに化粧品や医薬としても利用されているメチルセルロースを用いて、オルガノイドのさらなる長期維持培養法の確立を目指している。昨年度においてはメチルセルロースを用いてもオルガノイドを形成することを報告したが、比較的オルガノイド形成が小さかったため、本年度においてはメチルセルロースにコラーゲン並びにES細胞等を培養時に効果的なラミニン511を添加することによるオルガノイド形成の培養条件の改善を試みた。コラーゲン添加することにより、上皮シート化する現象が観察されたが、コラーゲン添加の割合を変化させることにより、オルガノイドが形成され、さらにコラーゲンの添加具合を変化させることでオルガノイド形成にも影響することがわかった。また、ラミニン511の添加を試みたところ、こちらもオルガノイド形成に影響があることがわかった。現在、さらにコラーゲンとラミニン511の添加量を調整し、オルガノイド形成にとってより良い培養条件を検討中である。来年度においてはさらに向上したオルガノイドの培養法について検討並びに解析を行うと共に、オルガノイドの保存法並びに移植法についても検討していく予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
メチルセルロースを用いた培養方法でコラーゲン並びにラミニン511を添加することで、オルガノイド形成に影響することがわかった。オルガノイドの培養方法はもう少し条件検討が必要ではあるが、概ね順調に進展していると考えられる。
|
Strategy for Future Research Activity |
メチルセルロースを用いた培養方法について条件検討し、改善を行ってきたが、もう少し条件検討が必要であると考えられる。来年度においても、オルガノイド形成環境の改善を行うと共に、並行してオルガノイドの保存法並びに移植法についても検討していく予定である。
|
Causes of Carryover |
新コロナウイルスの影響で学会が延期になり、交通費等発生しなかった分次年度使用額が発生しました。この分は翌年度の物品費として計上し使用する予定である。
|