2019 Fiscal Year Research-status Report
糖尿病誘引の慢性炎症による角膜幹細胞と神経への影響-マクロファージの動態に着目-
Project/Area Number |
18K09463
|
Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
上野 宏樹 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (30529897)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上野 聰樹 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (20109010)
服部 貴明 東京医科大学, 医学部, 兼任講師 (20408173)
鈴木 登 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (40235982)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 糖尿病 / 慢性炎症 / 角膜三叉神経 / 角膜幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
糖尿病もしくはメタボリック症候群の状況により誘引された慢性炎症は角膜三叉神経と角膜幹細胞に対して重要な阻害因子であるという仮説の下に、糖尿病モデルマウスを用いて、重症糖尿病を仮想した慢性炎症反応誘導時のケモカイン、炎症性サイトカイン、抗炎症性サイトカインの経時的評価、更に角膜幹細胞、角膜三叉神経・三叉神経節に対する影響を検討する事が目的である。 糖尿病モデルマウス群と比較して糖尿病モデルマウスにliposomal clodronate(クロドロン酸)結膜下注射を施行した群はβIII tubulinの発現が正常マウス群と似た角膜上皮下神経叢の所見を示した。更に糖尿病マウスにliposomal clodronate結膜下注射を施行した群の炎症性サイトカインと抗炎症性サイトカインのmRNA定量をReal Time PCRにて測定したが、炎症性サイトカインであるTNFαや抗炎症性サイトカインのTGFβには糖尿病マウスと比較して変化を及ぼしていなかった。 以上のことから重症2型糖尿病に対して糖尿病角膜障害をきたした際、マクロファージ枯渇薬を用いることで三叉神経支配である角膜上皮下神経叢障害保護の可能性を示唆したが、liposomal clodronateはマクロファージ枯渇作用のみでなく細胞内でATP類似体としてATP代謝を阻害する事から、ATP経路が関与して角膜上皮下神経叢減少を防ぐに至った可能性も考察される。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
重症糖尿病による慢性炎症が角膜三叉神経と角膜幹細胞に影響を及ぼすと仮説を立て研究を現在すすめているが、炎症性サイトカインと抗炎症性サイトカインの著明な変動が見られず鍵となる分子の解明に時間を割いている状況である。
|
Strategy for Future Research Activity |
糖尿病モデルマウス群と比較して糖尿病モデルマウスにマクロファージを枯渇するliposomal clodronate(クロドロン酸)結膜下注射を施行した群はβIII tubulinの発現が正常マウス群と似た角膜上皮下神経叢の所見を示した。以上を踏まえ、重症糖尿病の際の神経保護におけるマクロファージ作用を解明する。
|
Causes of Carryover |
支払い時期の関与で使用額が生じたが、現時点では前年度の実支出額は残っていない。
|
Research Products
(1 results)