2023 Fiscal Year Annual Research Report
Effects of chronic inflammation with diabetes on corneal stem cells and corneal nerves
Project/Area Number |
18K09463
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
上野 宏樹 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (30529897)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上野 聰樹 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 名誉教授 (20109010)
服部 貴明 東京医科大学, 医学部, 兼任講師 (20408173)
鈴木 登 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (40235982)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 糖尿病 / 慢性炎症 / 角膜三叉神経 / 角膜幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
メタボリック症候群の発症基盤で、内臓脂肪肥満に合併する慢性炎症性変化に関連の糖尿病合併症は、高血糖が誘引で各臓器の実質細胞にストレスがかかる。更に内因性の炎症反応を惹起するシグナルが増加して寄与するマクロファージや血管内皮等の反応性が亢進状態になると組織の恒常性維持のバランスを崩す。その結果実質臓器内での炎症反応が慢性的に持続し、最終的には不可逆的な組織障害へと移行する可能性がある。本研究の目的は糖尿病もしくはメタボリック症候群の状況により誘引された慢性炎症は角膜三叉神経と角膜幹細胞に対して阻害因子であるという仮説のもとに、糖尿病モデルマウスを用いて重症糖尿病を仮想し、慢性炎症反応誘導時のケモカイン、炎症性サイトカイン、抗炎症性サイトカインの経時的評価、更に角膜幹細胞、角膜三叉神経に対する影響を検討することである。糖尿病モデルマウス群と比較して糖尿病モデルマウスにliposomal clodronate結膜下注射を施行した群は神経のマーカーであるβIII tubulinの発現が正常マウス群と似た角膜上皮下神経叢の所見を示した。糖尿病マウスにliposomal clodronate結膜下注射を施行した群の炎症性サイトカインのmRNA定量をReal Time PCRにて測定したが、炎症性サイトカインであるTNF-αやIFN-γには糖尿病マウスと比較して変化を及ぼしてはいなかった。 以上のことから重症2型糖尿病に対して糖尿病角膜障害をきたした際、マクロファージ枯渇薬を用いることで三叉神経支配である角膜上皮下神経叢障害保護の可能性を示唆した。これはliposomal clodronateがマクロファージ枯渇作用で慢性炎症プロセスを抑制するのみでなく、細胞内でATP類似体としてATP代謝を阻害する事を踏まえると、ATP経路を介した慢性疼痛発症メカニズムにも関与していると考察できる。
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