2019 Fiscal Year Research-status Report
疎性結合組織移植と再生医療技術の融合による新しい腱治療の開発
Project/Area Number |
18K09475
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
佐々木 薫 筑波大学, 医学医療系, 講師 (10536220)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関堂 充 筑波大学, 医学医療系, 教授 (40372255)
渋谷 陽一郎 筑波大学, 医学医療系, 講師 (50783883)
相原 有希子 筑波大学, 医学医療系, 講師 (70707801)
佐々木 正浩 筑波大学, 附属病院, 病院講師 (80804723)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 重度上肢外傷 / 腱癒着 / 疎性結合組織 / 遊離組織移植 / 脂肪幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は疎性結合組織移植を用いた新しい腱治療法を確立し、機能予後が不良な現在の重度上肢外傷治療の成績向上を目指すものである。腱周囲には疎 性結合組織が存在し、腱修復過程ではそれ自体が修復腱の足場となり滑走組織となる。それが損傷・欠損 する重度上肢外傷時には、腱治癒不良による再断裂や 滑走不足による癒着がおこり機能予後が不良となる。したがって良い機能予後のためには不十分な腱周囲の疎性結合組織を移植という形で補うことが望ましい。 現状で大きな組織を移植する方法は血管柄付遊離組織移植である。これには微小血管吻合という高度な技術を要するという問題がある。移植材料となる、疎性結 合組織は腱周囲だけでなく体の様々な部位に存在する。しかし臨床的な注目と移植材 料としての実績の乏しい未開発の組織である。本研究は疎性結合組織移植 に再生医療技術 (脂肪幹細胞、多血小板血漿の創傷治癒促進作用)を融合させることで、血管柄付遊離組織 移植に代わる新しい組織移植法を開発し新しい腱治 療法の確立を目指すものである。 本研究はラットを用いた基礎研究であり、ラットにおいて疎性結合組織移植に対する多血小板血漿や脂肪由来幹細胞移植の有用性を確認し、移植疎性結合組織 の生着率、生着する組織量を明らかにすることが目標である。 2018年度はそのために必要な、研究環境の整備(データー解析のための設備導入など)、情報収集 (学会参加など)、脂肪幹細胞を取り出す手技確立のための実験を行った。 2019年度は情報収集を継続しつつ、実際にラットに疎性結合組織を移植し、経時的な観察を行った。ラット自身の創への介入行動があり、モデルの形式変更を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
下記の理由により遅れが生じている。 ・ラットの創への介入行動があり、モデルの形式変更を行わざるを得なかった。 ・走査電子顕微鏡で疎性結合組織移植後の変化を観察する予定であったが、現在使用できない状況となっている。 ・脂肪幹細胞担当の共同研究者が海外留学に出てしまい、脂肪幹細胞分野が停滞している。
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Strategy for Future Research Activity |
ラットのモデルの変更と、脂肪幹細胞以外において当初の計画通り進める予定である。
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Causes of Carryover |
実験計画を修正するなど実験に遅れが出ており、本来購入する予定であったものが購入できなかったため次年度使用額が生じた。今後、ラットの購入費、飼育費、薬品などの物品費を中心に使用する予定である。
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