2019 Fiscal Year Research-status Report
Direct neurotizationと幹細胞移植による皮膚知覚回復促進の試み
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18K09480
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
矢野 健二 大阪大学, 医学系研究科, 招へい教授 (40174560)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨田 興一 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (90423178)
田港 見布江 大阪大学, 医学系研究科, 特任助教(常勤) (80815697)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | direct neurotization / 乳房再建 / 皮膚知覚 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、昨年度に作成した3群、すなわち、①神経断端を皮膚真皮内に埋入、縫合固定する群、②神経断端を真皮直下に縫合固定する群、③神経縫合を行わない群の解析を行った。全身麻酔下にて痛覚、温覚(60℃)が皮下に存在するcutaneous trunci muscleの反射収縮により評価可能であった。痛覚、温覚に関して知覚領域 (innervated )と非知覚領域(denervated)の境界線の変化を経時的に評価した結果、①群と②群の双方において、direct neurotizationの効果を認めた。①群の方が新規知覚領域の出現は早い傾向にあったものの、最終的な知覚領域の面積は①群と②群の間で有意差を認めなかった。3か月のフォローアップの後、組織採取を行い、パラフィン切片を作成し、抗ニューロフィラメント抗体、抗ミエリンタンパク抗体を用いた組織免疫学的評価を含む検討を行った。その結果、知覚領域の真皮内にミエリン化した神経線維を全ての群で認めた。径の大きなものでは直径5umを超えるAβ線維も確認しており、触覚回復の可能性が示唆された。 次年度は、これらのデータの解析を進め、論文発表を行っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していたデータは概ね順調に得られており、残りのデータが集まり次第、論文発表が可能と思われるため。
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Strategy for Future Research Activity |
知覚検査により得られたデータ、および作成した切片の解析を進めることで、今回の研究の総括を行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
本年度における研究必要経費の一部は、他財団からの助成金で賄うことが可能であった。本年度使用しなかった助成金に関しては、次年度における動物モデル作 成費、試料作成費へ充てる予定としている
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