2020 Fiscal Year Annual Research Report
How to be metabolized when the cartilage is transplanted -biochemical research using glycotechnology-
Project/Area Number |
18K09486
|
Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
四ッ柳 高敏 札幌医科大学, 医学部, 教授 (70250595)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 建 札幌医科大学, 医学部, 講師 (30312507)
柿崎 育子 弘前大学, 医学研究科, 准教授 (80302024)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 軟骨 / プロテオグリカン / 移植 / 代謝 / 小耳症 / 吸収 |
Outline of Annual Research Achievements |
肋軟骨は、形態の再建に有用な移植材料の一つである。年少児の軟骨では、中央部分は水分を含む空隙が多く構造が疎になっており、成人になると今度は外側から硬化していく。移植された肋軟骨は、時間とともに変形、吸収される症例もあり、特に年少児の未熟な軟骨ではより生じやすいが、そのメカニズムに関しては調査されていない。また、再生医療により形成された軟骨も、移植後容易に吸収されることが知られている。再建形態が数十年単位で維持されることが、特に外表の再建後に求められることであり、吸収の機転の解明のため、軟骨の移植後の代謝を調査することは臨床的意義が大きい。そこで以下の調査を行った。 小耳症手術時に生じた余剰肋軟骨に対し、各種染色を行った。10~11歳では、HE染色では全体的に弱いヘマトキシリンへの染色性を示し、被膜マトリックス、小腔周囲マトリックスともに淡い色調で、小腔周囲間マトリックスとの色調のギャップは少なかった。20歳以上では、強いヘマトキシリン染色性を示し、色調ギャップが大きかった。アルシアンブルー染色においてもほぼ同様の所見であったが、染色像の定量解析においては、年齢差は認めなかった。以上より10~11歳の軟骨組織ではグリコサミノグリカンは軟骨基質に均一に存在し、20歳以上では軟骨細胞周囲に集積しており、成長時に軟骨基質の性質が変化することを確認した。また、新鮮軟骨と移植軟骨におけるプロテオグリカンの含有量解析を行った。しかし有意な個体差を明瞭にすることはできず、今後各比較グループの条件をより明確にして、個体数を増やして調査する必要があると考えられた。
|