2019 Fiscal Year Research-status Report
難治性口腔扁平上皮癌におけるセツキシマブ耐性ループ仮説の検証
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18K09504
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
佐伯 万騎男 新潟大学, 医歯学系, 教授 (30273692)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 学 新潟大学, 医歯学系, 助教 (10547516)
柿原 嘉人 新潟大学, 医歯学系, 助教 (40379938)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | R2TP / Reptin / Pontin |
Outline of Annual Research Achievements |
R2TP複合体は申請者らが発見した分子シャペロンである.4つの構成成分のうちPontinとReptinは相同性の高いATPaseで,R2TP複合体のシャペロンとしての働きにおいて中心的な役割を果すと考えられている.分子シャペロンはタンパク質の折り畳みを助ける働きを持ち,癌化関連タンパク質を安定化することで,癌進展にも関わる.申請者らはこれまでR2TP複合体の分子シャペロン機能を解明し,計9報の論文を発表してきた.これまでの成果が評価され,日本歯科医学会より総説依頼を受け,2019年にR2TP/PAQosome as a promising chemotherapeutic target in cancer.のタイトルでR2TP複合体と口腔癌の関係について特に創薬のターゲットとしての観点から概説した.
R2TP複合体をターゲットとした化合物もいくつか見つかってきており,上記のレビューでその紹介を行うとともに開発者との共同研究を開始し,化合物の作用を見出しつつある.
申請者らはまた,R2TP複合体構成因子ReptinのfloxマウスとWnt1-Creマウスにより頭部神経堤細胞特異的KOマウスを作製し,R2TP複合体欠損の解析を行った.KOマウスは胎生致死が認められ,胎生9.5日齢におけるマウス胎仔第一,第二鰓弓の形成不全,及び前頭鼻突起,後脳背側部における形態異常も確認された. 現在さらにR2TP複合体構成因子Pontinのfloxマウスも導入し,上記Reptinのflozマウスとともにさまざまな部位特異的KOマウスを作出し,解析を行っている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画のうちKOマウスを用いた解析について,ReptinのみならずPontinの解析を始めたことから. すなわちComplexの二つの構成因子のフェノタイプが同様のものとして見られ始めているので,より説得力のある議論を行える段階に達している.
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Strategy for Future Research Activity |
フェノタイプのレスキュー実験を開始している.またフェノタイプの解釈につき,該当分野のエキスパートに連絡を取っており,meetingを行うことで研究のさらなる進展を目指す.
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Causes of Carryover |
適正に使用します
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