2021 Fiscal Year Annual Research Report
Study of the effect of serotonin in the salivary glands on salivary secretion: using salivary gland microdialysis.
Project/Area Number |
18K09514
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
吉川 正信 東海大学, 医学部, 准教授 (90276791)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 唾液腺 / マイクロダイアリシス / 神経伝達物質 / アセチルコリン / 中枢神経 |
Outline of Annual Research Achievements |
生体を構成するアミノ酸はすべてL体であり、鏡像異性体のD体は細菌ペプチドグリカンの構成成分など極めて限られた生体成分である、と長年考えられてきた。しかし、哺乳類を含む高等動物において種々の遊離D体アミノ酸(D-アミノ酸)が存在し、多様な生理機能を有することが明らかとなってきた。D-セリンは哺乳類脳内に多量に存在し、興奮性神経伝達物質グルタミン酸の受容体であるN-メチル-D-アスパラギン酸(NMDA)受容体の内在性リガンド(コアゴニスト)としてL-グルタミン酸によるNMDA受容体の活性化を増強することが知られている。D-セリンの中枢における機能については数多くの報告があるが、末梢臓器に対する作用についての報告はほとんどない。HPLCアミノ酸一斉分析により7週齢Wistar系雄性ラット耳下腺、顎下腺、舌下腺にD-セリンをはじめとする複数のD-アミノ酸が存在することを明らかにした。D-セリンはL-セリンをラセミ化するセリン異性化酵素(Serine racemase: Srr) により生成され、D-アミノ酸酸化酵素(D-amino acid oxidase; DAO)によりヒドロキシピルビン酸に代謝される。ラット唾液腺においてSrrとDAOの遺伝子がそれぞれ大脳皮質と小脳と同程度に発現していること、NMDA受容体サブユニット遺伝子が発現していること、などをRT-qPCRにより明らかにした。D-セリンをL-グルタミン酸とともにラット顎下腺に灌流すると副交感神経刺激下の唾液分泌量がD-セリン用量依存的に増加した。一方、高用量L-グルタミン酸単独では副交感神経刺激下の唾液分泌を著しく抑制した。DAO欠損マウスは野生型マウスに比べて副交感神経刺激時の唾液分泌レベルが約2.5倍高いこと、野生型マウスに経口投与したD-セリンは副交感神経刺激下の唾液分泌量を増加すること、などを明らかにした。
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Research Products
(1 results)