2019 Fiscal Year Research-status Report
オートクリン・パラクラリン因子BMP-3bが担う骨格筋恒常性維持機構の解明
Project/Area Number |
18K09524
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
古株 彰一郎 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (30448899)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松原 琢磨 九州歯科大学, 歯学部, 准教授 (00423137)
日野 純 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 室長 (40260351)
小野 悠介 熊本大学, 発生医学研究所, 准教授 (60601119)
松尾 拡 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (70238971)
人見 涼露 九州歯科大学, 歯学部, 講師 (70548924)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 骨格筋代謝 / BMP-3b / 筋再生 / サルコペニア |
Outline of Annual Research Achievements |
加齢による骨格筋量の減少や機能低下(サルコペニア)は、要支援・要介護の主要な原因である。さらに疫学研究により骨格筋量が多いと様々な疾病に対する罹患率が低下し、健康長寿であることが明らかとなっている。そのため超高齢社会のわが国では、骨格筋の量と機能を維持することは優先的に取り組むべき課題である。 BMP-3b(GDF10)はTGF-βスーパーファミリーに属するサイトカインである。BMP-3bは他のBMPと異なりTGF-βやActivinと同様にSmad2/3シグナルを活性化する。Myostatinに代表されるようにSmad2/3シグナルの活性化は骨格筋分化を負に制御すると考えられるが依然として不明な点が多い。そこで本研究では骨や脂肪そして骨格筋などの運動器を構成する器官に発現するBMP-3bに着目し、骨格筋幹細胞、サテライト細胞の分化におけるBMP-3bの役割を検討した。 まずサテライト細胞由来細胞株C2C12細胞を用いた。CHO細胞由来ラットBMP-3b処理やマウスBMP-3b遺伝子の過剰発現はCAGA-luciferase活性やSmad 2/3シグナルの標的遺伝子であるPAI-1の発現を誘導した。2%ウマ血清含有培地で筋分化を誘導したところ、 BMP-3bは濃度依存的に筋分化マーカーのMyogenin (Myog)や Myosin heavy chainのmRNAやタンパク量を減少させた。しかしながら、ALK4, 5, 7阻害剤のSB431542の添加によりBMP-3bの筋分化マーカー抑制効果は解除された。 次にマウス長指伸筋から採取した初代培養サテライト細胞を用いて実験した。サテライト細胞の分化に伴いBMP-3bのmRNA量は減少した。さらにBMP-3bは濃度依存的にMyogやMyhcの発現量を減少させた。またBMP-3bに対する抗体を添加するとサテライト細胞の分化は亢進した。以上より、BMP-3bはサテライト細胞の分化を抑制する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
感染事故により長い間動物飼育施設が閉鎖していたため。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度の今年度はBMP-3のnullマウスを用いてin vitro、in vivo両方から骨格筋におけるBMP-3bのLoss of functionの実験を行い、論文にまとめ上げる。
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Research Products
(7 results)