2018 Fiscal Year Research-status Report
The functional study of intrinsic and extrinsic factors in differentiation of taste bud cells using organoids.
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18K09525
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
瀬田 祐司 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (90291616)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
豊野 孝 九州歯科大学, 歯学部, 准教授 (10311929)
中富 満城 九州歯科大学, 歯学部, 講師 (10571771)
小野 堅太郎 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (40316154)
片岡 真司 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (80364149)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 味蕾 / オルガノイド / 転写因子 / 発生・分化 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度では、味蕾幹細胞の局在とその細胞系譜の検索を中心に行った。 1.Lgr5-CreERT2-GFPマウスとCAG-floxed-tdTomatoマウスを交配させ、Lgr5-CreERT2-GFP /CAG-floxed-tdTomatoマウスを作製した。作製したマウスにタモキシフェンを投与して、有郭乳頭溝上皮内でのLgr5発現細胞の動態の検索を行った。その結果、Lgr5陽性幹細胞の一部は、味蕾細胞となり、味蕾細胞のマーカーと共発現の検索の結果、Lgr5陽性幹細胞はすべての味蕾細胞型に分化しうることがわかった。また、Lgr5-CreERT2-GFPマウスとCAG-floxed-DTAマウスを交配させ、Lgr5-作製したCreERT2-GFP /CAG-floxed-DTAマウスにおいて、タモキシフェン投与により、味蕾の大きさ・細胞数の減少が認められ、全ての細胞型の減少が確認された。有郭乳頭上皮の厚さも減少し、Lgr5陽性幹細胞は味蕾だけでなく、舌上皮への細胞供給を行っていることが示唆された。 2.味蕾におけるWnt, BMP, SHHなどの味蕾細胞の分化に関係する外的因子のレセプターの発現とこれらのレセプターが味蕾のどの細胞型に発現しているのかについて検索を行った。有郭乳頭上皮から抽出したRNAを用いてRT-PCRにより、レセプターの発現を検索した結果、PTCH1, Frizzled-1, 2, LRP5, 6の発現が認められた。その中で、現在味蕾におけるLRP5, LRP6の発現の確認を行っている。 3.Lgr5-CreERT2-GFPマウスの有郭乳頭上皮からLgr5陽性幹細胞を単離し、単離したLgr5陽性幹細胞からオルガノイドの作製を行った。現在、味蕾オルガノイドの作製に使う因子の種類と濃度の検討を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度、動物実験施設において施設の工事による飼育動物の制限と実験動物の感染事故が起こり動物のクリーニングを行う必要が生じた。その結果、工事期間とクリーニング期間において実験が制限されてしまった。現在、実験に使用する遺伝子改変マウスの繁殖を行っており、実験再開が可能になっている。
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Strategy for Future Research Activity |
1.味蕾細胞の分化に関わる外的因子の検索 ①Lgr5-CreERT2-GFPマウスの有郭乳頭溝上皮からLgr5発現細胞を単離し、オルガノイドを作製する。②オルガノイド内の細胞分化を味蕾細胞のマーカーを用いて検索する。③オルガノイド培養培地に添加する外的因子の検討。味蕾細胞の分化に必要な因子(EGF/Noggin/R-spondin1)のほかに、Wnt, BMP, SHHなどの味蕾細胞の分化に関係する外的因子をそれぞれ添加し、基本培地との差を味蕾細胞マーカーの発現により検討する。④さらに外的因子添加群と基本培地のオルガノイドにおける遺伝子発現の差をPCR-arrayを利用して検索する。⑤外的因子のシグナル伝達系の阻害剤投与によるオルガノイドにおける味蕾細胞マーカー発現への影響を検索する。 2.舌上皮オルガノイドにおけるLGR5・Mash1発現細胞の細胞系譜の検索 ①Lgr5-CreERT2-GFPマウス, Mash1-CreERT2マウスとCAG-floxed-DTAマウスを交配させ、Lgr5-CreERT2-GFP / Mash1-CreERT2/CAG-floxed-DTAマウスを作製する。②Lgr5-CreERT2-GFP / Mash1-CreERT2/CAG-floxed-DTAマウスの有郭乳頭溝上皮からLgr5発現細胞を単離し、オルガノイドを作製する。③②で作製したオルガノイドに、培地にタモキシフェンを添加することでLGR5・Mash1発現細胞を変性させ、味蕾細胞の分化にどのような影響が見られるのかを検索する。
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Causes of Carryover |
今年度、動物実験施設において施設の工事による飼育動物の制限と実験動物の感染事故が起こり動物のクリーニングを行う必要が生じた。その結果、工事期間とクリーニング期間において実験が制限されてしまった。その結果、平成30年度に行う予定の実験が一部出来ず、その分の予算を執行することが出来なかった。平成31年度において、前年度に出来なかった実験を含めて予算を執行する予定である。
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