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2020 Fiscal Year Research-status Report

ストレスに伴う摂食行動異常の分子神経機構

Research Project

Project/Area Number 18K09529
Research InstitutionNihon University

Principal Investigator

近藤 真啓  日本大学, 歯学部, 准教授 (50312294)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2022-03-31
Keywordsストレス / 神経回路 / 糖質摂取
Outline of Annual Research Achievements

ショウジョウバエを用いて、摂食行動の定量法およびストレス負荷実験モデルを確立し、遺伝学・行動学・形態学・分子生物学的手法を併用して、ストレス誘導性の摂食行動異常に関連する神経システムの解明を目的に本研究を開始した。
汎ドパミン作動性ニューロンドライバーを用いてdTrpA1を異所性に発現させた個体に熱刺激を行うと、非絶食条件下でも野生型ハエの空腹群と同等のfeeding Index(FI, 糖質摂取の指標)を示した。この結果は、ドパミン作動性ニューロンの少なくとも一部が摂食行動を誘導することを示している。そこで、つぎに糖質摂取に関与する脳内ドパミン作動性ニューロンを特定するため、同ニューロンの異なるサブクラスで働くドライバー(27ライン)を準備し、上記と同様の糖質摂取実験を行った。これまでに15ラインについて解析を終え、うち4ラインについて熱刺激により糖質摂取が誘導されることを見出し、責任ニューロンの同定作業を進めている。
ストレス実験においては、閉所ストレス、粉末塗布、熱刺激などの実験的ストレス負荷が糖質摂取量に影響を及ぼすこと、これらの一部の慢性ストレス負荷でみられる摂取量の変化には雌雄差があることを見出した。また、これらのストレス負荷により脳内pERKの免疫活性が上昇したことから、特定のニューロン集団でGFPが発現するトランスジェニックフライを作製し、免疫組織化学的手法を併用してストレス負荷により活動性が変化するニューロンのキャラクタリゼーションを開始した。現在、解析の途中ではあるが、ストレス応答(pERK陽性)ニューロンの一部はドパミン作動性ニューロンである可能性を示すデータを得ている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

研究計画に従って摂食行動に関わるニューロン(群)の検索を進めており、少なくともドパミン作動性ニューロンのサブセットが関与することまでは見い出している。一方、種々のストレス刺激で生じる糖質摂取量および脳内神経活動の変化について解析を行い、また、まだ同定には至っていないものの、すでにニューロン種の同定を試みる実験を開始していることから上記の判断とした。

Strategy for Future Research Activity

研究計画書に記載の手順に従い、引き続き、遺伝学的・行動学的手法を用いて摂食行動の誘発またはストレスによる摂食行動の変化に関与しているのかについて、遺伝学的・行動学的手法を用いた検索を継続していく。また、前年度までに用いてきた各種ストレス刺激モデルにおいて、ドパミン作動性ニューロンの活動性を人為的に変化させることで生じる糖質摂取量の変化、摂食行動の変容および脳内神経活動の変化の解析を行い、これらの情報をもとにストレスに伴う摂食行動異常の神経基盤を明らかにしていく。

Causes of Carryover

理由:購入を予定していた試薬の一部がキャンペーンの利用で安く購入できた。コロナ感染症流行に伴い、研究補助員が出勤不可能になり人件費の一部を使用しなかったこと、また、予定していた学会が中止またはオンライン開催となり、旅費を使用しなかったことなどから残金が生じた。
使用計画:次年度への繰越金は、実験動物の飼育費、試薬の購入および学会参加への費用に充当する。

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Published: 2021-12-27  

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