2021 Fiscal Year Annual Research Report
Neural mechanism of stress-related feeding behavior disorders
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18K09529
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
近藤 真啓 日本大学, 歯学部, 准教授 (50312294)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ストレス / 神経回路 / 糖質摂取 |
Outline of Annual Research Achievements |
ショウジョウバエを用いて、摂食行動の定量法およびストレス負荷実験モデルを確立し、遺伝学・行動学・形態学・分子生物学的手法を併用して、ストレス誘導性の摂食行動異常に関連する神経システムの解明を目的に本研究を開始した。 25種類のsplit-GAL4ラインを用いてドパミン作動性ニューロンの異なるサブグループでdTrpA1を発現させたトランスジェニックフライを作製し、温熱刺激(30℃,15min)を与えてドパミンニューロンを人工的に興奮させた。その後、個体ごとに糖の摂食量を半定量し、Feeding Index(FI)を算出した。25ラインのうち7ラインで、非刺激群と比べて温熱刺激群で有意にFI値が上昇した。また、各ラインにおいて活性化されるドパミン作動性ニューロンの組み合わせを比較した結果、PAMまたはPPL1のサブセット、特に、PAM-α1、PAM-β1、PPL1-γ1ニューロン群の興奮が糖の摂食誘導に重要であることが示唆された。 閉所空間で飼育(行動抑制ストレス)したショウジョウバエにおける糖質の摂食量は、3日間のストレス負荷群で有意に増加した。また、行動抑制ストレスにより、脳内で散在性にpERK陽性細胞が観察され、そのなかの少なくとも一部はドパミンニューロンであることを見出した。 以上の結果は、行動抑制ストレスが脳内ドパミン作動性ニューロンの活動性を直接または間接的に高めることで、ハエの糖質摂取を誘導することを示唆している。
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