2020 Fiscal Year Research-status Report
炎症性疾患におけるCX3CL1を介した破骨細胞前駆細胞の骨芽細胞層通過機構の解明
Project/Area Number |
18K09532
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
立川 敬子 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 講師 (70236537)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中浜 健一 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 准教授 (60281515)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | CX3CL1 / 破骨細胞前駆細胞 / 細胞内カルシウム濃度 / 骨芽細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は破骨細胞前駆細胞(OCP)が骨表面に達し成熟破骨細胞に分化する過程に着目し、OCPが骨芽細胞表面から骨基質へと遊走する経路において骨芽細胞やOCPにどのような変化が起こるのかというメカニズムの解明を目的としている。以前の研究で骨芽細胞をIL-1betaで刺激すると破骨細胞前駆細胞が骨芽細胞の基底膜面に遊走することを報告した。この際の骨芽細胞-破骨細胞前駆細胞接触によるシグナルについて研究を行なった。細胞内セカンドメッセンジャーの代表である細胞内カルシウムイオン濃度([Ca2+]i)はRhod-3AMをもちいた。cAMP濃度([cAMP]i)の測定はcAMPが結合することによりアロステリックにルシフェラーゼ活性が上昇するタンパク質(GloSensor)を全身に発現するGloSensorマウス(昨年度、我々の研究室にて樹立)由来細胞を用いた。未処理またはIL-1beta処理後24時間目の骨芽細胞と破骨細胞前駆細胞との培養開始により、破骨細胞前駆細胞側の[cAMP]i上昇が未処理群と比べて約2倍であることがわかった。さらに、IL-1beta処理後24時間目の骨芽細胞は破骨細胞前駆細胞との接触により[Ca2+]iが一時的に増加する結果が得られた。 次に、骨芽細胞-破骨細胞前駆細胞間の相互作用を阻害する可能性のある阻害剤をスクリーニングする目的でHeLa細胞にRANKLとM-CSFを発現させ、マクロファージ系細胞株であるRAW細胞と共培養することにより破骨細胞分化を誘導する系を確立した。当大学が保有する化合物ライブラリーをスクリーニング中であるが、まだ可能性を秘めた化合物の選定には至っていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和2年度が最終年度である。本研究課題の全容を明らかにはできなかったが、骨芽細胞と破骨細胞前駆細胞の接触により細胞内セカンドメッセンジャーの量的変化を捉えることができたことは非常に興味ある結果だと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度に得られた結果についてさらに追試を行い、骨芽細胞-破骨細胞前駆細胞の細胞間の情報連絡について明らかにしたい。
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Causes of Carryover |
研究遂行計画に遅れが出ているため.
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