2019 Fiscal Year Research-status Report
Cell death-driven mechanisms for cancer progression: targeting the dying codes
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18K09533
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
山崎 学 新潟大学, 医歯学系, 助教 (10547516)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田沼 順一 新潟大学, 医歯学系, 教授 (20305139)
丸山 智 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (30397161)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 細胞死 / ダイイングコード / 口腔がん |
Outline of Annual Research Achievements |
口腔扁平上皮癌由来培養細胞を用いたこれまでの検討において、生活細胞と凍結融解によりネクローシスを誘導した同種死細胞とを共培養することで、生活細胞の増殖能・遊走能・浸潤能が亢進することが明らかとなった。そこで、本年度は以下の検討を行った。 1. タイムラプス撮影による細胞遊走能の検討: 昨年度はトランスウェル遊走試験をおこなったが、この結果を検証するためにタイムラプス撮影およびトラッキング解析を試みた。すると、単独培養条件に比べて、死細胞との非接触共培養条件では、細胞移動の総距離、移動速度が2倍以上に亢進することが示された。 2. DNAマイクロアレイによるトランスクリプトーム解析: HSC-3細胞を対象に、単独培養条件と死細胞との非接触共培養条件のmRNA発現レベルを網羅的に解析したところ、単独培養条件と比較して、非接触共培養条件で発現レベルが1.5倍以上または1/1.5倍未満に変動したプローブとしてそれぞれ510個、648個抽出された。発現が亢進した分子には、IL-1βやTNF-α、IL-6等の炎症性サイトカインやTLR4等のパターン認識受容体が含まれていた。これらの一部の分子について、HSC-3以外の細胞株でも発現亢進していることを定量RT-PCRにて検証した。 3. 抗体アレイによるサイトカイン解析: 単独培養・非接触共培養条件それぞれから培養上清を回収し、サイトカイン抗体アレイで解析した。その結果、IL-8等の炎症性ケモカインのほか、MMP-9やVEGF等のがん進展に関わる分子の発現上昇が確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の検討から、TLR4をはじめとするパターン認識受容体が死細胞由来のダイイングコードの認識に関与し、がん細胞による炎症性サイトカインおよび腫瘍促進因子の発現亢進を経て、細胞機能が活性化される可能性が示された。
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Strategy for Future Research Activity |
ダイイングコードの同定に加えて、パターン認識受容体から細胞機能活性化までの細胞内シグナル経路を解析する。以上の結果をもとに、研究を総括する。
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Causes of Carryover |
(理由)研究計画に従って物品費等を計上してきたが、残額が生じた。不必要な支出を避けるために、次年度使用額として計上した次第である。 (使用計画)次年度分の助成金と合算することにより、物品購入費用として有効に使用する予定である。
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Research Products
(4 results)