2019 Fiscal Year Research-status Report
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18K09539
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
山本 一彦 奈良県立医科大学, 医学部, 研究員 (20243842)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
國安 弘基 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (00253055)
桐田 忠昭 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (70201465)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | RNA / HERV |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト染色体7q21-22にはヘルペスウイルス遺伝子に対応する内因性の反復配列(herpes virus endogenous retroviral elements, HERV)が見られる。この近傍にはHGF遺伝子が存在する(7q.21)。そこで、31例の口腔扁平上皮癌症例について、HERV配列のmRNAレベル、HGFレベルおよびHGFの受容体であるc-met の活性化レベルを検討し、転移との相関を検討した。31例中13例に術後頚部リンパ節転移ないし肺転移が認められたが、13例中12例(92%)にc-metリン酸化が見られた。これに対し非転移症例ではc-metリン酸化は18例中6例(33%)に認められた(P = 0.0023)。HGF過剰発現は、転移症例では13例中11例(85%)に見られ、HGF過剰発現症例のすべてでc-met活性化が認められた。一方、非転移症例ではHGF過剰発現は2例(11%)のみに見られた(P = 0.0001)。HERVの過剰発現は、転移例の10例に見られ(77%)、すべてでc-met活性化とHGF過剰発現が認められた。ヒト口腔扁平上皮癌HSC3では、HERVとHGF発現が見られ、c-metリン酸化が認められた。HERV発現をsiRNAで抑制するとHGF発現は低下しc-metリン酸化も減弱した。以上の結果から、HERV反復RNAの発現はHGF-c-met系を活性化し、口腔扁平上皮癌の転移を促進することが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度は異動により十分な研究時間が取れなかったが、今年度は研究分担者との連携を密にして実験を行うことにより結果が得られてきている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度得られた結果をもとにし、反復RNAの発現と口腔扁平上皮癌の生物学的性質を明らかにし、臨床応用につなげていきたい。
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Causes of Carryover |
次年度使用額は今年度の支出額の1%程度であり、ほぼ適正に使用できていると考える。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] Clostridium perfringens enterotoxin induced claudin-4 to activate YAP in oral squamous cell carcinomas.2020
Author(s)
Nakashima C, Yamamoto K, Kishi S, Sasaki T, Ohmori H, Fujiwara-Tani R Mori S, Kawahara I, Nishiguchi Y, Mori T, Kondoh M, Luo Y, Kirita T, Kuniyasu H
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Journal Title
Oncotarget
Volume: 11
Pages: 309-321
DOI
Peer Reviewed / Open Access