2018 Fiscal Year Research-status Report
加齢に伴うオートファジーの減弱が肺炎・誤嚥性肺炎に及ぼす影響とその制御機構の解明
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18K09544
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Research Institution | Asahi University |
Principal Investigator |
猪俣 恵 朝日大学, 歯学部, 准教授 (40553798)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩橋 均 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (60356540)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | オートファジー / 加齢 / 細菌感染 |
Outline of Annual Research Achievements |
超高齢化が進む日本では、誤嚥性肺炎を含む肺炎が日本人の死因の第3位に上昇した。高齢者に肺炎・誤嚥性肺炎の罹患率が急増する理由には、加齢に伴う免疫機構の低下が考えられているが、その詳細は明らかにされていない。オートファジーは宿主細胞において侵入細菌の分解・排除や抗菌性因子・サイトカイン産生などの感染防御免疫機構の制御に関与している。近年、加齢によってオートファジーの機能が減弱することが報告されてきた。申請者は、加齢に伴いオートファジーの減弱という免疫老化が生じる結果、肺炎球菌の分解・排除機構が破綻し、肺炎・誤嚥性肺炎を重篤化させると推測した。さらに、加齢と共に減弱したオートファジーを活性化することで、病態の重篤化を制御できると推測した。本研究では、加齢に伴うオートファジーの減弱が肺炎・誤嚥性肺炎に及ぼす影響、さらにオートファジーを活性化することで病態の重篤化を防げるかを解明することを目的とする。 初年度では、肺炎球菌が宿主免疫細胞であるマクロファージにおいてオートファジーを誘導し、オートファジーによって分解・排除されること、さらにはオートファジーが肺炎球菌に対する宿主のサイトカイン産生を制御していることを見出した。さらに、肺炎球菌の誘導するオートファジーが加齢マウスから分離したマクロファージでは明らかに減弱することを見出し、これらの結果を学会で公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
肺炎球菌とオートファジー、さらには加齢との関連性について計画通りに明らかにすることができたため。また、これらの成果を論文として公表したため。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、肺炎球菌の誘導するオートファジーが加齢とともに減弱するのかどうかを詳細に調べるとともに、オートファジーの減弱が肺炎球菌分解機構および肺炎の病態に及ぼす影響を調べる。
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Causes of Carryover |
キャンペーン期間中に消耗品を購入するなど、実験計画を綿密に立て科研費を使用したことで次年度使用額を算出できた。少額ではあるが、本年度に得られた結果のメカニズムを詳細に調べるために使用する予定である。
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Research Products
(4 results)