2018 Fiscal Year Research-status Report
口腔癌頸部リンパ節転移被膜外浸潤進展度分類と進展メカニズムの分子細胞生物学的研究
Project/Area Number |
18K09551
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
山田 慎一 信州大学, 学術研究院医学系(医学部附属病院), 准教授 (50380853)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗田 浩 信州大学, 学術研究院医学系, 教授 (10273103)
大倉 正也 大阪大学, 歯学研究科, 招へい教員 (10281130)
柳本 惣市 長崎大学, 病院(歯学系), 講師 (10315260)
長谷川 巧実 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (50546497)
太田 嘉英 東海大学, 医学部, 教授 (60233152)
梅田 正博 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 教授 (60301280)
桐田 忠昭 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (70201465)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 口腔扁平上皮癌 / 頸部リンパ節転移 / 被膜外浸潤 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は①口腔癌の頸部リンパ節転移の被膜外浸潤症例において、われわれが設定した進展度分類(Yamada S, et al., 2015.)を行い、臨床病理学的因子、予後との相関 を検討し、予後予測因子あるいは術後補助療法適用の指標となり得るかを検討する。②それぞれの進展度分類において、被膜外浸潤最先端部の腫瘍細胞組織をマイクロダイセクション法を用いて選択的に採取し、マイクロアレイを用いて、それぞれの被膜外浸潤進展度の腫瘍細胞の遺伝子発現プロファイルを網羅的に検討し、被膜外浸潤の進展に関与する分子を同定する、ことを計画した。 口腔扁平上皮癌の頸部リンパ節転移があり、被膜外浸潤症例の集積ならびに観察項目のデータ収集を行った。被膜外浸潤症例について、われわれが設定した被膜外浸潤の進展度分類に基づいて分類を行った。また、該当症例について、パラフィンブロックより、薄切標本を作製した。被膜外浸潤および進展度分類に影響する分子について、特に今回は細胞の運動に関連するアクチン束状化タンパクであるactinin-4について免疫組織化学的染色を行い、その発現と臨床病理組織学的因子との関連について検討を行うこととした。しかしながら、リンパ節の薄切標本は比較的大きいことから、免疫組織化学的染色が困難であり、安定的に免疫組織化学的染色を行って評価可能な標本を得ることは困難であった。引き続き、免疫組織化学的染色の染色を安定的にリンパ節標本においても行えるように検討を行い、合わせてマイクロダイセクションの実施を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
計画に基づき、口腔扁平上皮癌の頸部リンパ節転移における被膜外浸潤症例の症例集積を行い、われわれが設定した進展度分類(Yamada S, et al., 2015.)を行い、臨床病理学的因子、予後との相関を検討するために、観察項目についてデータ収集を行った。検討を行う分子を明らかにするために、われわれが以前に口腔扁平上皮癌での発現を検討し、その発現と浸潤能との関連を報告したactinin-4について試験的に免疫組織化学的染色を行った。しかしながら、対象となるリンパ節の薄切標本はプレパラートの全面に位置することが多く、染色の過程で剥離・脱落するものが多く、評価可能な標本を安定的に得ることが困難であった。また、マイクロダイセクションについても、安定的に標的とする部分を採取できるように習熟する必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
リンパ節薄切標本についての免疫組織化学的染色の染色法については再度検討を行い、染色を行っていく予定である。これと並行してマイクロダイセクションについても進めていく。リンパ節の免疫組織化学的染色に代わる方法として、生検標本に変更し免疫組織化学的染色あるいはFluorescent in situ hybridization(FISH)を行うことも検討する。特にactinin-4のFISHの検討をまずは行うこととし、この発現と被膜外浸潤の進展度との関連を検討する予定である。
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Causes of Carryover |
マイクロダイセクションや免疫組織化学的染色が計画通りに進まなかったこともあり、次年度使用額が生じたと考える。次年度は当初の計画ならびに、FISH法を用いた解析も行うこととしており、特にFISH法については外注し検討を行う予定であることから、次年度使用額は平成31年度請求額と合わせて実験の外注費に使用する予定である。
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