2018 Fiscal Year Research-status Report
歯周病原性菌による宿主細胞のエピジェネティクスな変化の解析による歯周病の病態解明
Project/Area Number |
18K09559
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
石原 和幸 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (00212910)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊池 有一郎 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (30410418)
柴山 和子 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (60408317)
国分 栄仁 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (70453785)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 慢性歯周炎 / エピジェネティクス / 歯周病原性菌 / dysbiosis / タンパク分解酵素 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、Treponema denticolaを中心とした歯周病原性菌によって引きおこされるエピジェネティック制御が宿主細胞の歯周病原性菌感染に対する応答にどのような影響を与えるか解析することにより歯周病の病因の解明を試みるものである。 これに対するアプローチとしてまず、上皮細胞の炎症性サイトカイン、ケモカイン、HSP産生等の防御に関わる反応が歯周病原性菌の感染によってどの様な影響を受けるかについての解析を行っている。本年度はT. denticolaを、ヒト上皮細胞Ca9-22に感染させその応答について解析を行った。その結果、IL-6、HSP70については感染による上昇が認められるが、IL-1ではその産生にdentilisinが抑制的な影響を与えることを明らかにすることができた。さらに、dentilisinによる細胞内タンパクに対するdentilisinの分解作用についても検討を開始している。 T. denticola, P. gingivalis 野生株とその病原因子欠損した株については、リンパ球、歯肉上皮細胞、線維芽細胞に感染させ、表層に付着を続けるのか、細胞内に侵入するのかを共焦点レーザー顕微鏡で観察を行うとともに。それによって起こる細胞における主要なクロマチン修飾酵素の発現の変化にフォーカスしたアプローチも行っている。感染によって遺伝子の発現のepigeneticな修飾の可能性を調べるため、T. denticolaを感染させたヒト上皮細胞Ca9-22に対し、ATAC-seq解析を行い解析を行っている。さらに本菌種以外にも、Aggregatibacter actinomycetemcomitans, T. forsythia, F. nucleatum等の歯周病原性細菌についてもスクリーニングを行う事を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
T. denticola感染による上皮細胞の動態については、サイトカイン、細胞内タンパクについて着実に結果を得ることができていると同時に、DNAの修飾の可能性についてもATAC-seqによるスクリーニングを行っており当初予定した通りの進行であるため。
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Strategy for Future Research Activity |
歯周炎は複数の菌種によるdysbiosisによって起こる可能性を示す報告が多くなっていることを考えると、P. gingivalis, T. forsythia等を早い時期に解析に加え、複数菌種によるエピジェネティック制御を組み込みよりin vivoに近い解析にして研究を進めていくことを考えている。
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Research Products
(16 results)